<家族葬>

家族葬についてマナーや流れ、費用などを解説しています。

家族葬とは

終活サポートが2018年3月に行ったアンケートでは「近所でも昔のような大きな葬儀ではなく、身内だけでこじんまりと行う葬儀が増えてきた」という声が多くありました。アンケートだけでなく、政府の公正取引委員会の発表資料でも、家族葬の件数は増加しています。(公正取引委員会では家族葬の定義を出席者50名未満の葬儀としています。)

だんだんと一般的になってきている「家族葬」とは一体どのような葬儀なのでしょうか。

「家族葬」とはいったいどのような葬儀なのか、費用や流れ、家族葬を行っている葬儀社の比較という観点からご紹介します。

対象の読者

この記事は家族葬の基本情報について網羅的にまとめてあります。

そのため、家族葬について全く知識がない方が読んでも、家族葬について検討中の方でも読んでいただけるような内容になっています。また、家族葬は、低価格、自分らしさなど最近の葬儀の傾向を良く反映しており、そのような観点で葬儀を考えている方にもおすすめの記事です。

  • 葬儀の費用を安く抑えたい
  • ご家族の家族葬を検討している方
  • 葬儀は親しい身内だけで見送ってもらいたい・見送りたい
  • 葬儀は故人をゆっくりと惜しみたい

あなたの家族葬についての理解が深まれば幸いです。

家族葬の特徴

「家族葬」と耳にする機会が増えても、実のところ、家族葬とは一体どのような葬儀なのか、施行したことのある人でないとなかなか説明できません。この章では、「家族葬」についてイメージをするために「家族葬」の特徴を説明していきます。

家族葬とは

家族葬の定義についてお話したいのですが、そもそも家族葬には明確に決まった定義があるわけではありません。これは、「家族葬」という言葉が、葬儀社や葬儀の情報サイトで、便宜的に使われているにすぎないからです。

では、どのように使い分けられているのでしょうか。多くの葬儀関連のサイトでは、「家族葬」と対比して「一般葬」や「直葬」という葬儀の形式を使っています。この違いのイメージは以下のようにまとめられます。

家族葬と他の葬儀の違い
  • ・費用 直葬<家族葬<一般葬
  • ・参列者の数 直葬<家族葬<一般葬

*厳密には、直葬は通夜と告別式を省略して火葬式のみを行う葬儀の形式なので、一般葬と家族葬と比べると、中身が異なりますが、よく対比される葬儀の形式なので、ここで比較しています。

このように、直葬・家族葬・一般葬は、主に費用・出席者の数で使い分けられています。

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直葬や家族葬は、文字通り家族を中心とする、非常に親しい間柄のみで葬儀が行われますが、一般葬では従来通り、近所や会社上の付き合いなどの人も葬儀に呼ばれるため、参列者の数は他の二つよりも多くなります。この参列者の数の差に応じて、費用にも差が生じます

直葬は通夜と告別式を省略するため、その分の費用も節約するため、非常に安く済みます。家族葬は、プランによりますが大体10~30名ほどで行われるため、その分費用が安く済みます。一般葬では従来通り、参列者の数は変動的であり、人数が多くなればその分費用がかさみます。

つまり、簡単にまとめると、家族葬とは親族や家族などの身内、またはごく近しい間柄の友人のみで行われる、比較的小規模な葬儀のことです。人数の目安は大体10~30名ほどです。

とはいえ、ここで注意すべきなのは、これはあくまでも目安に過ぎないということです。各葬儀社の「家族葬プラン」によっては、他の葬儀社の「一般葬プラン」よりも費用が高くなっている場合が考えられます。いくらからいくらまで、何人から何人までが「家族葬」でそれより高ければ「一般葬」と決まっているわけではないので、各社によって確認が必要です。

家族葬の特徴①-費用が安い

家族葬の特徴として、費用が安いことをあげましたが、なぜ安い傾向があるのでしょうか。

それは葬儀の費用で言うところの、変動費が安くなるからです。そもそも葬儀の費用は固定費変動費に分けられます。

葬儀費用の内訳(固定費と変動費)
  • 固定費:規模に関わらずかかる費用。例えば、祭壇費用、火葬費用、諸々の司会費用など。
  • 変動費:人数によって変わる費用。例えば、飲食接待費、斎場の費用(人数によって大きさが異なるため)など。

*斎場の費用については固定費に含める場合もあります。一般葬では、出席する人数がわからない場合があるからです。家族葬の場合は、あらかじめ出席する人数を決められるため、ここでは変動費に含めています。

家族葬では、出席者が少ないため、通夜ぶるまいや精進落としでの飲食代が安く済み、その分費用が抑えられるということです。

家族葬の特徴②-故人を静かに送り出せる

家族葬の特徴のもう一つは、故人とゆっくり別れを惜しめるという点です。

家族葬では、一般の葬儀と異なり、葬儀に参列する人は互いに見知った関係の人ばかりです。そのため、落ち着いた雰囲気の中、故人との最後の時を過ごせます。

また、様々な関係性の人が来るような葬儀では、挨拶などで対応に追われたりとなにかと忙しなくなってしまいます。家族葬では、このような色々な手間を省くことができ、故人との別れに集中することができます。

家族葬の特徴③-家族だけで故人とのお別れができる

家族葬の特徴として、親しい間柄の者のみで落ち着いて送るため、遺族の感情の整理がしやすく、次へのステップが踏みやすいという特徴があります。遺族感情の整理と、落ち込んだ気分からの回復を援助する過程はグリーフケアと呼ばれ、近年、葬儀をグリーフケアの観点から見つめなおす動きもあります。

グリーフケアとは一般的には以下のように定義されています。(出典:コトバンク)

身近な人と死別して悲嘆に暮れる人が、その悲しみから立ち直れるようそばにいて支援すること。一方的に励ますのではなく、相手に寄り添う姿勢が大切といわれる。

家族葬はグリーフをケアする観点からも優れていると認識されています。

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家族葬の費用

家族葬の特徴として、「費用の安さ」を挙げましたが、実際にはどのような価格帯が一般的なのでしょうか。家族葬の特徴の章の注意書きでも書きましたが、葬儀社によって、同じ家族葬の価格も様々です。内容もそれぞれ微妙に異なるので、ここは詳しく把握しておく必要があります。

家族葬の一般的な費用の目安と、家族葬を展開する代表的な企業のプランの内訳と費用をまとめました。この章で、家族葬についての大体の相場がつかめるようになるでしょう。

家族葬の費用の目安

家族葬の費用の目安と題しましたが、「家族葬」という軸での、平均的な費用の把握はとても難しいです。家族葬に何を含めるかによって費用は大きく変わってくるからです。

ここでは、葬儀仲介会社である葬儀レビの調査を引用します。(お布施などの宗教者へのお礼は含まれいません。)

葬儀レビの家族葬の全国平均費用は「579,489」円です。一般葬(平均金額90.3万円)に比べると、参列者の数が少なくなるぶん、平均費用は低くなります。

最も多い金額帯は40万円台ですが、安いものは10万円台から、高いものは140万円台まで、金額帯の幅は広くなっています。

これによると、家族葬の価格帯は非常に幅広く、家族葬だからといって一概に安いとは言い切れない現状であることがわかります。とはいえ、最も多い価格帯は40万円台であり、一般的な葬儀の平均費用は約130万円(葬儀費用の全国平均180万円から50万円(お布施などの宗教者へのお礼)を引いて算出。端数は四捨五入で処理。 *参照:「日本消費者協会 葬儀についてのアンケート調査」)といわれているので、家族葬はやはり費用が安く済む傾向にあることがわかります。

各社の家族葬の費用

先述したように家族葬の価格帯は非常に幅広いです。そのため、価格帯について知るためには、複数の大手葬儀社の価格表を知っておくことが大切です。これを知っておくことで、地元の葬儀社の家族葬プランについて考える時の基準になるでしょう。今回、ご紹介するのは、ファミーユ、JA、イオン、ベルコ、セレマ、ティア、小さな葬儀の7社です。他にも多くの葬儀社関連会社が家族葬のプランを提供していますが、互助会、農協、専門葬儀社、葬儀仲介会社をわかりやすく幅広くとらえるため、この6つに絞りました。

ファミーユ

ファミーユは家族葬専門の葬儀社で、家族葬をメインに展開する葬儀社の中では日本で最大級の葬儀社の一つです。

ファミーユの特徴は、なんといっても、そのプランの豊富さにあります。「家族葬専門」と謳っているだけあって、家族葬のプランに充実ぶりは他の追随を許しません

ファミーユは6つの家族葬のプランを展開しています。6つのプランの概要を価格の低い順にまとめると以下のようになります。最後の数字がそのまま価格(会員価格・税抜き)になっているというわかりやすいプラン名になっています。

①ファミーユ40 価格:40万円

②ファミーユ60 価格:60万円

③ファミーユ80 価格:80万円

④ファミーユ100 価格:100万円

⑤ファミーユ120 価格:120万円

⑥ファミーユ150 価格:150万円

各プランで価格が異なるのは、プランに含まれる内容が異なるためです。主に、祭壇の種類や返礼品・お料理の有無などによって価格が変わっています。ファミーユの特徴として、会計の明朗さや大企業としての安心感、全国1000か所の葬儀場と提携していて北海道から九州まで日本全国の多くの都道府県で対応している点があります。

一方で、家族葬費用が若干高めのプランが多いことも特徴として挙げられます。先ほどの葬儀レビのデータからもわかるように全国の家族葬の平均費用は約59万円であり、ファミーユのプランの中でこれを唯一下回るのは、「ファミーユ40」のみです。

他はこれを大きく上回り、中には150万円のプランもあります。実際、ファミーユの公式サイトでは、相談件数が多い順に「ファミーユ80」「ファミーユ100」「ファミーユ60」「ファミーユ120」と紹介されており、全国平均よりも高いプランが選ばれています。

費用が多少かかってでも、家族だけで落ち着いて葬儀をしたいという人や、家族葬の明瞭なプラン設定に魅力を感じる人に選ばれていることがわかります。

ファミーユの公式サイトへ

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JA

JAの葬儀部門であるJA葬祭の提供する葬儀プランは一般的に費用が低めだと言われ、価格の面で人気があります。JAの地域によって、JAが直接提供している地域もあれば、地域の専門葬儀社と提携して提供している場合もあり、価格帯は地域によって変動します。ここではJA葬祭の「JAライフちば」(千葉県で展開)の価格を参考に紹介します。

「JAライフちば」の家族葬プランは以下2種類です。

・25万円プラン

・35万円プラン

2つの家族葬プランで価格が異なるのは、湯灌や納棺などの納棺の儀が含まれるか否かで10万円の違いが生じています。いずれにせよ、どちらも平均的な費用に比べると著しく価格が低いです。

これは、参加する人数やご遺体の運送にかかる寝台車などの変動費を含めていないからです。一般的な葬儀に含まれていて、JAの家族葬の含まれていない費用の内訳は以下の通りです。

・別途費用 例えば、寝台車、マイクロバス(斎場と火葬場の往復に使用)。

・返礼品費用 例えば、会葬礼状、香典返し。

・料理費用 例えば、通夜ぶるまい、精進落とし。

家族葬は利用者の意向によって、祭壇費用や参列者数が大きく変わり、それに応じて必要費用も変動するため、変動費を別に表示するプラン表示は良心的とも捉えられますが、価格が他社に比べて大幅に安くなるわけではない点に注意しましょう。葬儀プランの費用の内訳に入っていないものが多くあるので、JAライフちばを検討するときは、他の葬儀社の費用内訳との丁寧な比較が必要です。

イオン

流通業者大手のイオンは「イオンのお葬式」のブランドでお葬式を展開しています。2009年からサービスの提供を開始し、明瞭な価格設定、独自の品質管理方法が支持されています。

「イオンのお葬式」は家族葬のプランも提供しており、価格(税込み)は以下の二つです。

・自宅家族葬 39万8千円

・家族葬 49万8千円

二つの違いは、自宅家族葬は通夜・告別式を自宅で行う点です。なお、この費用内訳には、返礼品、参列者に提供する飲食代、宗教費用は含まれておらず、さらに次の場合は追加料金がかかります。

1. 寝台車又は霊柩車の移動距離が50kmを超える場合

2. 式場等における安置日数が4日を超える場合

3. 自宅等における安置日数が4日を超え、ドライアイス等を追加する場合

4. 式場使用料が50,000円(税込)を超える場合

5. 火葬場利用料が15,000円を超える場合

オプションが充実していて、料理や返礼品の追加から、生演奏のオーダーまで受け付けています。たとえば、お料理(通夜ぶるまい、精進落とし)は参列者一人当たり4000円なので、通夜ぶるまいに10人、精進落としに10人分用意したとすると、追加で(10+10)×4000=8万円がかかります。

オプションについては公式サイトに詳しく記載してあるので、出席者の人数に合わせてシミュレーションしてみるといいでしょう。

ティア

ティアは年間13000件の葬儀実績を持つ全国でもかなり大手の葬儀社です。全国展開しているわけではなく、中部、関東、関西の一部の都道府県で展開しています。

非常に多くの葬儀プランをそろえています。ここでは、公式サイトより、東京都の場合を例にとって紹介します。各プラン名と価格(税抜き)は以下の通りです。

・白木33プラン 価格:33万円

・白木39プラン 価格:39万円

・デザイン43プラン 価格:43万円

・生花59プラン 価格:59万円

・デザイン63プラン 価格:63万円

・生花79プラン 価格:79万円

・デザイン83プラン 価格:83万円

・生花89プラン 価格:89万円

・生花99プラン 価格:99万円

・生花119プラン 価格:119万円

・生花159プラン 価格:159万円

各プラン価格の違いはファミーユと同じく、祭壇の種類や含まれる内容の違いによるものです。プラン名の最初の白木や生花は祭壇の素材のことで、白木よりも生花の方が高価です。

この価格には、通夜ぶるまいや精進落としといった飲食費用と返礼品費用は含まれていません。これらはオプションで追加することができます。

例)通夜10名 45000円~

小さなお葬式

小さなお葬式はユニクエストオンラインの運営する、定額仲介サービスです。家族葬に関しては「小さな家族葬」の名称で売り出しており、価格は493000円(税込)です。

ベルコ

ベルコは葬儀関連業者の中でもトップの葬儀実績を持つ互助会です。互助会とは、月々の積み立てに応じて、冠婚葬祭などの必要時に対応するサービスを受けられるサービスのことを言います。保険や共済に似ていますが、保険や共済は対価が現金で支払われるのに対して、互助会はサービスの提供という形で完了します。

ベルコは特に家族葬などのプラン名で売り出しているわけではないですが、人数の指定によって対応できます。

ベルコ公式サイトの「よくある質問」によると、家族葬の費用目安は50~100万円と紹介されています。ベルコのサイトでは葬儀費用の見積もりがサイト上で気軽にできるので、実際に葬儀場や人数の希望の条件に合わせて、調べてみるといいでしょう。

セレマ

セレマもベルコと同じく、互助会として葬儀サービスを提供しています。

セレマの家族葬については、公式サイト上では明確な記載はありませんでした。

家族葬の流れ

近年、増えている家族葬ですが、従来の一般葬とはどんな点が異なるのでしょうか。

この章では家族葬と一般葬の違いについて見ていきます。

家族葬の通夜・告別式

家族葬の通夜と一般葬の通夜の違い

家族葬と一般葬の違いですが、基本的には参加者が限られるという点以外は特に違いはありません。各葬儀における、基本的な参加者は以下のようになります。

葬儀の参加者
  • ・一般葬:故人の関係者
  • ・家族葬:家族のみ
  • ・家族葬:親類縁者・故人と特に親しい友人

家族葬を二回表記したのは、一口に家族葬といっても、本当に家族だけで行う葬儀の場合と、家族の他に親戚や、親しい友人を呼ぶ場合があるため、それらを区別するためです。家族葬に関しては、明確な定義はなく、故人や遺族の強い意向によって、参加者の構成は変わってくるため、このようになっています。

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家族葬の通夜ぶるまい

家族葬の通夜ぶるまいに関しては、一般葬と特に違いはありません。一般的な葬儀と同じく、精進料理か、最近では、大勢でつまめるような、寿司やサンドイッチなどの大皿料理が増えてきています。

家族葬の通夜での挨拶

挨拶についても家族葬と一般葬で特に違いはありません。挨拶をするタイミングとしては以下の二つのタイミングがありますので、準備しておきましょう。

・通夜の開会時

・告別式の開会時

しかし、家族だけで行われる葬儀の場合は、この挨拶を省略することもあるようです。

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家族葬に参列するとき

家族葬に参列するときのマナーも一般葬の時とほとんど変わりません。

しかし、参列するか否かの判断に関しては注意が必要です。特に遺族側から訃報のみが届いて、葬儀への参列を遠慮する旨の記述がある場合、葬儀のご案内がない場合、葬儀の日時や場所についての記載がない場合は参加を遠慮するようにしましょう。

家族葬は、故人と遺族の別れの時間を最優先にして、ゆっくりと過ごすためにひられます。そのため、むやみに想定していなかった人が参列すると、遺族側の迷惑になってしまいます。

家族葬のマナー

家族葬での服装

家族葬に限らず、葬儀の際の服装には迷いがちです。葬儀の際の服装のマナーについて確認しましょう。結論から申し上げますと、服装に関して家族葬だからといって特別なマナーがあるわけではありません。

家族葬に限らず、一般の葬儀の服装についてマナーを確認していきましょう。

まず、お葬式の際の服装には格式によって、正喪服、準喪服、略喪服の3種類に分かれます。これらは、喪家なのか参列者なのか、また通夜なのか告別式なのかによって異なります。

・正喪服

正喪服は最も格式の高い喪服で、主に喪家側が身に着けるべき服装です。男性は黒のモーニングコートを着用し、女性はブラックフォーマルウェアを見につけます。参列者は、喪家よりも格式の低いものを身に着けるので、正喪服を身に着けることは基本的にありません。

・準喪服

準喪服は最も一般的に着られるタイプの喪服です。最近は喪主から参列者まで幅広い関係者が着用し、特に最近では喪主が若い場合などは一般葬であっても準喪服を着用する機会が多いようです。特に家族葬の場合、喪主や近親者、配偶者であっても準喪服を着る傾向にあります。また、参列者に関しては、喪主側よりも格式を低くするので、準喪服を着る機会は増えるでしょう。

正喪服よりも少しデザインが多様になり、流行を取り入れた形になりますが、基本的には、通常のスーツではなく、礼服売り場で売っているようなスーツを着用することが望ましいです。通常の黒いビジネススーツと準喪服では、黒の発色の仕方が異なり、並んでしまうと光沢や黒の色みなどで違いがすぐに分かってしまいますので、注意が必要です。

・略喪服

略喪服は、仮通夜の様に急な集まりの時に着るものです。男性はダークグレーなどのシックな色合いで、無地あるいはそれに近い、光沢がないスーツを着用し、女性は紺やグレーなどの地味な色合いのものであれば、スカートでもパンツスタイルどちらでも可能です。故人・遺族の意向により平服の使用を求められたときは、この略喪服を着用して参列しましょう。

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家族葬での香典

家族葬での香典の渡し方

家族葬の香典の渡し方について、香典を渡すべきか、香典を渡すときはどのように渡せばいいかを解説します。

・喪主側が香典の受け取り辞退している場合

喪主側が香典の受け取りを辞退している場合、喪主側の意向を汲み香典は渡さないようにしましょう。葬儀の形式を家族葬にすつ理由の一つに、香典の記録・処理などの手間のかかる事務作業を省いて、故人との別れを惜しむためという理由があります。このような場合には、喪主側の意向を汲み、香典は渡さないことがマナーです。

・喪主側からの連絡に香典についての記載がない場合

喪主側からの香典についての連絡がない(特に辞退する旨の記載がない)場合、香典は持っていきましょう。前述したように香典を辞退するケースもありますが、この点に関しては、遺族によって考え方は様々です。家族葬だと聞いて香典を準備せずに行ったところ、周りの人は香典を渡していたという事態に陥ると大変決まりが悪いです。無難に準備していって、辞退されたら、持って帰るのがいいでしょう。

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家族葬の香典の金額

家族葬の香典の金額は、一般の葬儀の金額と特に違いはありません。

故人との続柄と出席者の年齢別の香典の平均金額は以下の表になっています。(出典:全日本冠婚葬祭互助会 香典に関するアンケート調査(平成28年度))

  20代 30代 40代 50代 60代以上
  最多回答 平均額 最多回答 平均額 最多回答 平均額 最多回答 平均額 最多回答 平均額
祖父母 10,000 9,386 10,000 14,201 10,000 17,018 10,000 37,646 10,000 21,667
*** *** 50,000 32,164 50,000 33,715 100,000 52,171 *** ***
兄弟姉妹 10,000 13,833 30,000 21,400 30,000 24,737 50,000 51,920 50,000 42,568
おじ・おば 10,000 7,214 10,000 11,552 10,000 12,291 10,000 21,475 10,000 23,442
上記以外の親戚 5,000 6,617 5,000 7,462 10,000 8,926 10,000 13,298 10,000 17,285
職場関係 5,000 4,177 5,000 5,541 5,000 4,984 5,000 5,648 5,000 5,525
勤務先社員の家族 3,000 3,661 5,000 4,652 5,000 5,320 5,000 5,326 5,000 5,701
取引先関係 5,000 7,571 5,000 5,615 5,000 6,933 *** *** 5,000 6,865
友人・その家族 5,000 5,130 5,000 5,162 5,000 5,533 5,000 6,000 5,000 6,353
隣人・近所 3,000 5,118 5,000 4,443 5,000 4,139 5,000 4,849 5,000 5,047
その他 5,000 4,135 5,000 5,250 5,000 4,282 5,000 5,844 5,000 8,677

近所での家族葬で香典は渡すのか

近所の方が亡くなった場合、町内会や近所づきあいの盛んな地域だと葬儀に参列することを迷う方も多いでしょう。しかし、家族葬であることが連絡されていて特に式についての案内がない場合は、むやみに出席することは遺族側の迷惑につながるので遠慮しましょう。

故人とのつながりが深く、後に弔問したいといった時には、ご近所で相談してから行くといいでしょう。家族葬で起こる問題の一つに、葬儀後にたくさんの弔問客が来て対応にとても時間が割かれたという問題があります。バラバラに行くのではなく、ご近所で相談して一緒に行けば、遺族側も対応がしやすくなります。

会社関係者の家族葬では香典は渡すのか

家族葬が行われる際は多くの場合、同僚や上司など会社関係者の出席を拒んでいるので香典を渡す機会は多くありません。遺族側の気持ちを汲み、香典は渡さないことがマナーです。

一方で、弔慰金に関しては、香典とは異なり、福利厚生の一環ですので、渡しても失礼には当たりません。

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