終活って必要なの?と思っているあなたへ

近頃、よくきく「終活」という言葉ですが、「よし、終活するぞ!」と、終活にモチベーションを高く持っている人は実はあまり多くありません。

終活ってやる必要あるの?」「まだまだ健康だし、あまりやる気がしないなー」と考えている方が大半です。そもそも自分の死について真剣に考えたくない人はもちろんのこと、「終わりの活動」と書くように、「終わり」がまだまだ先だと考えている人がそのように思うのはごく自然なことです。

しかし、年に関係なく「終わり」は誰にでも突然訪れるかもしれないことです。たとえ20代であっても、です。

「いつからが終活か」「終活はいつから始めるのが良いのか」という疑問をお持ちになる方も多いでしょうが、そういう意味では生きている限り、何歳であろうと終活の対象になるのかもしれません。さすがにこれは極論ですが、年を重ねれば重ねるにつれ、急に「終わる」可能性が高まるのは事実です。

終活の目的を大きく二つに分けると、自分が満足のいくように逝くため、あるいは、自分の遺していく者たちにかける負担を少なくするため、の二つに分かれます。これは年齢によって変わってくるものではありません。若いから満足のいくように逝かなくていい、というわけでも、子が自立しているから、遺す者のことを考えなくていい、というわけでもありません。

そのため、終活はいつから初めてもよく、早くから始めれば始めるほどいいというのが、終活サポートの立場です。

 終活ってなんですか

そもそも終活とは何でしょうか。

新聞を開けば「終活ビジネスが活況」、チラシをめくれば「終活セミナー」、果ては「終活カウンセラー」「終活診断士」のような資格まで登場しています。「最近こんなセミナー行ってきたんだけど」とか「やっぱり自分の後始末はしっかりしないとねえ」と普段から意識している方もいるでしょう。一方で、今まで終活とは縁のなかった方もたくさんいらっしゃると思います。

終活サポートは、さきほど述べたような考えから、「終活」を老後全般にわたるものとして幅広く捉え、老後の悩みやそれに役立つ知識を発信しています。

100人いれば100通りの最期があると言うように、終活の定義自体も様々です。

例えばウィキペディアには

終活(しゅうかつ)とは「人生の終わりのための活動」の略で、人間が人生の最期を迎えるにあたって執る様々な準備やそこに向けた人生の総括を意味する言葉である。

終活カウンセラー協会という終活の資格を扱う団体では

当初は葬儀や墓など人生の終焉に向けての事前準備のことでしたが、、現在では「人生のエンディングを考えることを通じて”自分”を見つめ、”今”をよりよく、自分らしく生きる活動」のことを言います。

また、近年、終活関連サービスを展開し始めたイオンでは

「人生は後半戦がおもしろい」誰にでもある心配事、相続、保険、お墓、お葬式のことなどを事前に考え準備しておくことで、不安が解消され、いきいき、はつらつとした、おもしろい後半戦を送ることを「終活」と考えます。

終焉に注目する考え方、自分の内面的な充実に注目する考え方、引退後を対象にする考え方など、期間から内容まで様々です。終活カウンセラー協会様が述べている通り、以前は、葬式や遺言など人生の最期のみに対応する定義が主流でした。しかし、近年は定義自体が多様化しています。

繰り返しになりますが、終活サポートはこうした時代の潮流を踏まえ、終活自体を老後全般に関わるものとして考えています。

終活サポートの提案

本当に大切な人に送ってもらいたいけど、遺していく家族には負担をかけたくないあなたへ

葬儀は故人に別れを告げ、送り出す、とても重要な行事です。しかし、いざ不幸があり、葬儀が必要になると、病院で進められた葬儀社の指示通りに事が運び、なかなか個人や遺族の思いを反映できなかったという経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。このカテゴリーでは、種類や進め方などの基本的な情報から、葬儀の実例、全国の葬儀社・葬儀場の情報まで、葬儀について幅広い情報を載せていきます。自分の葬儀について事前に考えておきたい、親の葬儀が必要になった時に慌てずに段取りを済ませたい方に読んでいただきたいカテゴリーです。

「葬儀」カテゴリーへ

老後を迎えてから死ぬまで、お金が本当に足りるのか不安なあなたへ

定年を迎えてからの生活資金について不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。収入は年金頼みになり、病気や怪我のリスクも跳ね上がります。「本当にこのままで大丈夫なのか」と誰しも不安になるでしょう。

終活サポートでは、資金がどれくらい必要になるか、資金計画を立てる上での注意点、支出を減らす方法、収入を増やす方法、といった観点から、役立つ情報をまとめて提供します。特に、定年を迎えてから、これからの資金計画を立てたいという方にはぜひ読んでいただきたいです。

「老後のお金」カテゴリーへ

「介護が必要になるかもしれない、でも、家族には迷惑をかけたくない」、「家族が介護が必要になった。それでも、笑顔で過ごしてほしい」と考えるあなたへ

年を重ねるにつれて、誰かの手助けが必要になる場面は増えるものです。このカテゴリーは、介護が必要かどうか、介護が必要になったら検討すべきこと、介護施設の情報など、介護についての情報を載せるカテゴリーです。ここでは、配偶者が介護が必要になりそうな方、親の介護についてもっと詳しく知りたい方から、将来介護が必要になった時にできるだけ家族に負担をかけたくない方などに読んでいただきたいカテゴリーです。【現在準備中】

何歳になっても、介護が必要になっても、それでもやっぱり自宅がいい、というあなたへ

老後は管理しやすいマンションに移りたい、子供の近くに引っ越したい、家のバリアフリー化を検討している、など定年後は、ライフステージの変化に合わせて住環境の見直しもしたくなるものです。このカテゴリーでは、住まいについて、リフォームを検討するときに注意するべき点、どれくらいの資金が必要になるか、いい物件の条件など、老後の住まいについての総合的な情報を掲載します。建て替えや引っ越し、リフォームを検討する方はもちろん、自分の親に引越やリフォームを薦めたい方にもおすすめのカテゴリーです。【現在準備中】

「争族」は絶対避けたいと考えるあなたへ

ここでは相続について事前に出来ること、注意すべき点、専門家への依頼の仕方など、相続にまつわる情報を、法律など複雑なことが苦手な方にもわかりやすく伝わるようにかみ砕いて説明していきます。少しでも多くの遺産を遺族に残したい、家族にはできるだけスムーズに相続を済ませてほしい方に読んでいただきたいカテゴリーです。【現在準備中】

あなたが望む、自分や親の葬儀の形は?

葬儀業界の傾向
  • そもそも葬儀を望まない人が増えている
  • 型にはまった従来型の葬儀ではなく、個性的でその人らしさを演出した葬儀を望む人が増えている
  • 家族や近親の者ののみの小規模で低価格な葬儀が増えている

これらは、従来の葬儀が宗教的な儀式で対外的なメッセージを重視していたのに対し、自分自身の価値観や、遺族の気持ちの整理に焦点が当てられるようになったため起きている変化です。今、小規模ながらも、故人にとって本当に大切なものは何か、遺族にとって一番いい葬儀は何か、が重視されるようになってきています。

あなたはどんな葬儀を望みますか?
  • 亡くなった後のことだから本当にお金をかけてほしくない
  • 小規模でもいいから大切な人に見送ってもらいたい
  • 最期の別れだから縁のあった人、みんなにお別れを言ってもらいたい

お金をかけてほしくないあなたに

現代では、葬儀にあまりお金をかけてほしくないという考え方はとても一般的になってきています。葬儀をできるだけお金をかけずに、実施するには、そもそも葬儀の内容を低価格なものにする方法と、同じ内容でも葬儀社等を比較し、費用の掛からないところで利用する方法、事前申し込みなどで、費用を割り引く方法の3つがあります。それぞれについて簡単に説明します。

葬儀内容を見直す

葬儀の内容を変える方法については、いくつかが考えられます。

1つ目は、一日葬といって通常は2~3日かかる葬儀を1日で終えるというものです。2日分かかるはずの会場使用費を1日分に抑えることで、節約が期待できます。また、時間を短くすることによる、スタッフの人件費削減などにも効果があります。しかし、ご遺体の安置で前日から会場を使っている場合など、結果的に2日分の費用が掛かってしまう場合もあるので要注意です。

2つ目は、近年一般的になってきている家族葬という葬儀の形です。こちらは一日葬と異なり、葬儀の手続きや儀礼などは簡略化しませんが、参列人数を抑えることによって、飲食代などを抑えることが期待できます。しかし、実際には参列者からもらう香典の収入が減ってしまうなど、注意すべき点はあります。家族葬の場合は、葬儀費用という観点だけでなく、身内だけで落ち着いて故人と別れたいという内面的な動機から選ばれることも多いです。

最期に3つ目は、直葬・火葬式というとても簡略な葬儀があります。こちらは通夜を省略し、参列者もほとんどの場合、身内に限定する形の葬儀で、ある意味では一日葬と家族葬を極端にした形とも言えます。基本は簡単な告別式と火葬のみで、当然、諸々の経費がかからないため、費用を大きく抑えることができる場合が多いです。

葬儀内容の見直しについて
  • 葬儀を簡略化して時間を短くする一日葬
  • 参列者を制限して経費を抑える家族葬
  • 葬儀の簡略化と、参列者の制限で費用を抑える直葬

葬儀社の徹底比較

葬儀を行うとき、ほとんどの人が利用することになるのが、葬儀社です。実は葬儀社の中にも、互助会・専門葬儀社などいくつか種類がありますが、それらはそれぞれ特徴があり、ほとんど同じ内容でも費用が大きく異なっているケースもあります。

時間に余裕があるときは、それぞれのプランをよく調べ、自分にとって本当に価値のある業者を選ぶことをお勧めします。といっても葬儀社の比較はとても難しいものです。葬儀社についての情報をまとめたまとめサイトも近年はとても充実してきているので、そちらを利用するといいでしょう。葬儀社比較サイトのみんレビでは、利用者が平均で19万円もの節約に成功しているというデータを公表しています。徹底して比較することで葬儀内容を損なうことなく、費用を賢く抑えましょう。

葬儀社の比較業者
  • みんレビ
  • いい葬儀

葬儀の事前会員登録

葬儀社の中には、生前から相談しておく、または、会員になっておくことで、費用を大きくおさえることができる業者もあります。互助会を思い浮かべる方が多いでしょうが、最近の専門葬儀社は少し異なります。互助会は自分で拠出したお金を積み立てて、万が一葬儀などが必要になった時にも安心して葬儀が施行できるというものですが、葬儀社の中には、会費や資金をかけずに登録するだけで、葬儀費用を抑えることができるサービスがあります。

例えば、家族葬専門葬儀社のファミーユ(会社名:エポックジャパン)は事前に会員登録をしておくことで、4万円~15万円も割引になるのです。このような特典を探して、賢く利用することも葬儀費用の節約には欠かせません。

会員登録
  • 事前の会員登録を利用して葬儀の割引を受ける

大切な人だけに見送ってもらいたいあなたに

大切な人に見送ってもらいたいと考えるのは当然のことです。さらに、あまり親しくなかった人がたくさん来て、お葬式で遺族に負担をかけるくらいなら、大切な人だけに見送ってもらいたいという考えるのも自然な流れです。

そのように考える人が選ぶのが、「家族葬」という形式の葬儀です。読んで字のごとく、親族を中心としたごくごく内輪だけで葬儀を執り行うことを家族葬といいます。近年ではこのような考えから家族葬がとても増えていて、言葉だけでも聞いたことのある方が多いのではないでしょうか。

葬儀の施行するうえで、多くの方が煩わしいと感じるのが、弔問客への対応です。挨拶をするだけなら、故人の思い出話をすることもできますが、香典の管理や返し方、供花の順番、お食事の準備などで、故人との別れを惜しむ時間もなく、あわただしく葬儀の時間が過ぎてしまったご経験はないでしょうか。

こうした現状から、葬儀には本当に故人と親しかった人のみ参列し、故人との最後のひとときを過ごす家族葬という形に注目が集まっています。ただ、従来の葬儀になれている方からすると、葬儀に身内しか呼ばないのは不自然に思えてしまいます。無用なトラブルを避けるためにも、事前に周囲の理解を得ておくか、あるいは、エンディングノートをしっかりと活用していくことが大切です。

多様化する葬儀の種類

従来通りの一般的な葬式については後程、詳述させていただきます。ここでは近年になって、新しくうまれ、急激に一般的になってきている、新しい初期墓なタイプの葬儀を紹介します。

家族葬

家族葬とは個人の家族または近親者のみで行う、小規模な葬儀のことです。家族のみで行われるため、死者と向き合う時間が増え、ゆっくりと故人に別れを告げることができます。遺された家族同士の絆が深まる傾向も指摘されているようです。

家族葬は従来型の葬儀と異なり、決まった形式が存在しません。そのため、より故人の思いを反映した葬儀を行いやすい点がメリットです。

一方で、参列者が限られるため、従来の葬儀を望む人には家族葬を好まない人もいるでしょう。事前に親族の間で意見を一致させることが、よりよい故人との別れにつながります。

直葬

直葬は死亡後、病院や自宅から直接火葬場に遺体を運び、遺族が簡単な別れを 告げた後、火葬するという葬儀の形式です。宗教的なステップを含めない場合もあり、火葬後、納骨や散骨をして終わるというケースも増えています。

従来型の葬儀で必要になる多くの段取りを省くのでかなり費用を抑えることができます。東京都では現在葬儀の内2~3割程度が直葬であると言われています。

お別れ会

お別れ会とは宗教的な段取りを入れずに、家族や近親者、仲間内でコンサートや食事会をして故人との別れを偲ぶ形式の葬儀のことです。直葬などが行われた際、参加できなかった関係者によって開かれる場合もあります。

お別れ会はまだ一般的でないため、連絡を受けた出席者の中には、葬儀を行うとものと考えてしまう人もいます。お別れ会をする場合は、従来型の葬儀を行わない旨を出席者に伝えておくことが大切です。

また、遺族ではなく、友人・知人が主催する場合は、遺族に配慮し、了解を得てから開催するようにしましょう。

生前葬

生前葬とは、存命のうちに本人によって催される葬儀のことです。本人がお世話になった人や家族などに感謝の言葉を伝えるため、生前葬という形式が生まれました。

生前葬はまだ普及していないことから形式が決まっていないので、自由に決めることができます。取り扱いのある業者と相談しながら決めることが無難でしょう。また、生前葬をしたとしても、亡くなった際に火葬は行われるので気を付けましょう。

葬儀の事前相談

葬儀は生前予約できる

葬儀社によっては生前相談できる業者もあります。一度葬儀社に生前見積もりをお願いして、複数社を比較検討してみることをお勧めします。相談した内容通りに葬儀を進めるよう、葬儀社にしっかりと相談しておくことが重要です。

生前予約のメリットとは

葬儀が必要になった時、遺族の方は深い悲しみの中、とても多くのことをしなければなりません。葬儀社の決定から、関係者への連絡、諸々の段取りなどに加えて故人の思いを反映した葬儀を行おうとすれば、故人にとっていい選択はどちらだろうかと大いに迷いながら葬儀の準備を進めることになります。

しかし、本人が事前に葬儀社や家族と相談しておくことで、悲しみの中、遺族が難しい選択を迫られることもなくなります。

さらに、事前に葬儀社に相談することで、本当に行ってほしいことだけを行ってもらうことができ、経費の節減に繋がります。

葬儀の事前相談は遺族の負担を減らす効果と、余計な出費を抑える効果の2つのいいことをもたらすのです。

葬儀費用の強い味方 葬儀信託とは

葬儀の事前相談をしたのち、希望の葬儀にかかる費用を見積もります。その見積もり金額を葬儀社経由で銀行に預けることで、葬儀が必要になった時、運用資金から葬儀費用を捻出するというサービスです。事前相談によって費用をあらかじめ決めているため、余計な出費が最小化できる点や、インフレ対策にもなる点がメリットです。

葬儀の基礎知識

葬儀の流れについて

葬儀の流れ 喪主はどうすれば?

本人が死亡して葬儀を終えるまでの流れは以下の通りです。

  1. 死亡 本人の近親者に連絡、葬儀社・寺に連絡
  2. 病院 病院担当者から死亡診断書を受領、病院の跡片付けや精算
  3. 搬送 自宅・寺・斎場へ
    *搬送方法には、葬儀社に依頼・行政に依頼・自家用車の3種類
  4. 安置・枕経 枕飾り、ドライアイス
  5. 打合せ 喪主あるいは委員長を決定
        日程の決定
        場所の決定
        規模の決定
        準備品確認(棺・葬具など)
        役割・予算を決める
  6. 打合せに基づく準備・手続き 死亡届
  7. 火葬埋葬許可証受領
  8. 許可証を火葬場事務局へ提出
  9. 棺・葬具入手(火葬場事務局・葬儀社より)
  10. そのほかの資材入手
  11. 納棺・通夜 読経→納棺・旅支度→献花→通夜ぶるまい→通夜
  12. 葬儀会場へ移動 位牌・遺影準備
  13. 火葬場への車手配
  14. 葬儀・告別式 告別式にて最後のお別れ→出棺→火葬→待合→収骨
  15. 埋葬
葬儀の流れ 家族葬の場合は?

家族葬であっても基本の流れは一般的なものと変わりません。しかし、打ち合わせの際には、お呼びになる親族の方を決定し、関係者へ連絡する際の訃報には会葬を辞退する旨を伝えておきましょう。納棺・通夜から告別式まで、親族だけで行うことができ、ゆっくりと故人と別れられることが家族葬の特徴です。

葬儀の流れ 火葬のタイミング

葬儀後に火葬、火葬後に葬儀と、その順序は地域や喪主家の都合によって異 なります。火葬後に葬儀を行うことを特に「骨葬」といい、例えば長野県では約7割が骨葬である言われます。

葬儀の日程について

葬儀の日程 友引・仏滅は避けた方がいいのか

葬儀の日程についての規定は、死後24時間以内には火葬ができない、ということ以外は特にありません。一般的には、亡くなった翌日にお通夜、2日後の午前に告別式・火葬を行うことが多いです。

本人が死亡した時間が午後から夜にかけてだった場合、翌々日の夜にお通夜、その次の日に告別式・火葬を行うこともあります。特に六曜の風習として、「友引」の日は葬儀を避けるといったものがあります。

これは友引に葬儀をすると、親しい間柄の者を故人があの世に道連れにするという考えがあるためです。これを気にするかどうかは遺族の考え方次第ですが、実際に友引の日は火葬場が定休日になっていることも多く、友引の日に火葬することは少し難しいのが現状です。

葬儀の時間について

葬儀の時間 平均的にはどれくらい?

通夜全体では約2~3時間です。通夜は開式から閉式まで、60分程度が時間の目安となります。その後行われる通夜振る舞いは1~2時間程度。具体的に、それぞれの細かい時間について詳しくみていきましょう。

一日目

主にお通夜を行うための日です。

  • 開式前(17:30~)
    親族の集合時間の目安です。おそくとも30分前には集まり、来場する参列者の方々に挨拶をするようにしましょう。
  • 開式(18:00~)
    ご僧侶が到着し、開始時刻になれば通夜式を始めます。進行は主に葬儀担当者が行います。ここでは、喪主は段取りを頭に入れておいて、正しく行われているかを確認しましょう。
  • 焼香(18:10~)
    通夜が開式されてから、焼香を行います。喪主の次に親族の順です。時間は10分程度が目安です。一般参列者の方々も焼香を行います。参列する人数によって変わりますが、30~40分程度が目安です。
  • 閉式(19:00)
    焼香と読経が終わると、喪主から参列者に対して挨拶を行います。通夜振る舞いが控えている場合は、その案内も含めて伝えるようにします。僧侶が退席し、通夜は閉式となります。開式から約1時間程度で通夜式は終了です。
  • 通夜振る舞い(19:00~)
    弔問に訪れた方々をもてなすための食事会です。通夜振る舞いは1~2時間が目安です。故人との思い出を話したり、参列してくださったお礼などを伝えましょう。通夜振る舞いの終了をもって、通夜は解散となります。

2日目

主に告別式と火葬を行うための日です。
告別式は1時間が目安です。

  • 開式前(~10:30)
    親族の集合時間です。通夜と同じく、告別式の開式30分前には、集待っておくようにしましょう。僧侶の入場は、開式5分前が目安です。
  • 開式(11:00~)
    司会が告別式の開式を宣言します。
  • 読経(~11:10)
    開式の後、僧侶による読経が10分程度行われます。
  • 焼香(11:10~)
    告別式での焼香も、通夜と同じように喪主から遺族、会葬者の順に行います。人数によって変わりますが、通夜と同じく、時間の目安は20~30分を想定しましょう。
  • 閉式(11:40)
    司会が閉式を宣言します。
  • 出棺前(11:45)
    出棺のための準備をします。故人との最期のお別れの時間です。故人の愛用の品や、花などを棺に入れます。時間は、5分程度を考えておきましょう。
  • あいさつ(11:50)
    出棺前に、喪主からのあいさつが行われます。故人へのお別れの言葉を述べる時間です。霊柩車へ運ぶ時間などを含め、10分を目安とします。
  • 火葬場へ出発(12:00~)
    火葬場に移動して、火葬を行います。移動手段はあらかじめ用意しておきましょう。火葬から、骨を骨壺にうつす「骨上げ」までを含め、40~60分を想定しましょう。

100年時代の老後の生活

医療の発達や福祉制度の充実により、日本は世界一の長寿国になりました。平均寿命は延び続け、男性では75歳、女性では85歳まで生きる、前例のない長寿の時代です。これから先も医療や福祉制度が充実していくとすると、今、定年前の人はもっと長く生きることができるでしょう。

年齢
男性
女性
50 32.54 38.21
55 28.02 33.53
60 23.67 28.91
65 19.55 24.38
70 15.72 19.98
75 12.14 15.76
80 8.92 11.82
85 6.27 8.39
90 4.28 5.62

厚生労働省 平成28年簡易生命表の概況 厚生労働省の出している平成28年のデータによると、現在60歳の人はこれから先、男性が約24年、女性で約29年生きると予測されています。つまり、今までの人生の半分近い年月をもう一度、過ごすことができるということです。そのため、最近では、定年後も現役で働き続けたり、定年後に新たな趣味を始めたり、引退後の余生をアクティブに過ごすアクティブシニアという言葉もよく聞きます。引退したからもう終わり、ではなく、引退後にどう生きたいか、がとても重要になっているのです。

老後はいつから?

「老後」の定義の仕方は人によってさまざまで、精神的な側面、働き方の側面、身体的な側面などいろいろな考え方があります。特に経済的な側面で見た時の老後を、貯めていた老後資金を生活のために使い始める時だと定義します。

生命保険文化センターが平成28年度に行ったアンケート調査によると、このような老後資金を使い始める年齢の平均は65.1歳となっています。

(グラフは生命保険文化センターのデータをもとに編集部作成)

60代のうちに6割以上の人が使い始めている一方、70歳以降に使い始める人も3割以上います。いつまで働くか、によって貯金を崩し始める時期が異なるようです。

老後の夫婦生活

老後の夫婦 楽しみは?

定年後の生活について、色々と思いを巡らせるのは楽しいですよね。定年後の生活ではどんなことをして過ごしているのでしょうか。厚生労働省が高齢者を対象に平成に行った調査では、以下のような結果になっています。

テレビ・ラジオを中心にゆっくりと過ごしたり、自分の趣味を見つけて自分だけの時間を過ごすなど、方が多いようです。また、現役の時に比べ、夫婦で自由に使える時間がとても多くなるので旅行に行く機会も増えるようです。普段は家族や近所の友人とゆっくり過ごしながら、時々旅行に行くような、メリハリのある時間の使い方をしている人が多いようです。

老後の生活費

老後の生活費は一か月あたり15万円

一般的な老後の生活費は一か月あたりどのくらい必要なのでしょうか。家計のモデルとしてよく用いられる、総務省統計局の家計調査報告から最新の該当部分(平成28年度分)を抜き出しました。

60歳以上の無職一人暮らしの場合:

税金等 12445円
食糧費 36200円
住居 12402円
光熱・水道 12643円
家具・家事用品 5512円
被覆・履物 4217円
保険医療 7967円
交通・通信 12480円
教育 27円
教養娯楽 17374円
交際費 19172円
そのほか 15965円
合計 156404円

さらにフィディリティ退職・投資教育研究所が2017年8月に行ったアンケート調査から、現役時代に比べて退職後の消費額がどれくらいになるか(なったか)の結果を見てみます。

退職者へのアンケート(引退前と比べた時の生活費の割合 n=6250)

フィディリティ退職・投資教育研究所 グラフはフィディリティ退職・投資教育研究所のデータを元に編集部作成

この結果から、定年後の消費額は、大きくばらつきはありますが、現役時代に比べて、5割以下になった世帯が半数以上であることがわかります。老後では徹底した節約を意識して生活している人が多いようです。また、グラフにはありませんが、現役と退職者の数値(現役の場合は消費見込み額)はおおむね同じ結果になり、退職前に立てた消費計画の通りに、生活が実現しているようです。

老後の生活費の内訳は? 夫婦の場合

一人暮らしの生活費の内訳は一つ前の項で見ましたが、夫婦世帯の場合はどうなっているのでしょうか。先ほどと同じく、総務省統計局の家計調査報告から抜粋しました。

夫65歳以上、妻60歳以上の無職夫婦世帯の場合:

税金等 29855円
食糧費 64827円
住居 14700円
光熱・水道 18851円
家具・家事用品 9017円
被覆・履物 6675円
保険医療 15044円
交通・通信 25256円
教育 1円
教養娯楽 26303円
交際費 29033円
そのほか 27984円
合計 267546円

夫65歳以上、妻60歳以上の無職夫婦世帯の一か月あたりの生活費の平均額を表しています。こうしてみると、標準家庭では、一人暮らし世帯に比べて、項目別の構成比にそれほど差異はありませんが、一人当たりの生活費は2万円ほど低くなっていることがわかります。

老後の生活費 ゆとりを持って暮らすにはどれくらい必要?

今まで見てきた生活のための生活費は、実際の出費を集計したものであり、節約をした結果の数値です。それでは適度にゆとりのある生活のためにはどれくらいの資金が必要なのでしょうか。ここでいう、ゆとりある生活のための資金は、レジャー、交際費、趣味や旅行だけでなく、子供への資金援助、孫への教育資金の援助等も含まれます。

生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」を参照すると、平成25年の結果では、夫婦で1か月の生活費について、30万円未満が22.5%、30~35万円が22.5%、35~40万円が10.3%、40~45万円が11.7%、45万円以上が17.6%で、平均が35.4万円でした。

生命保険文化センター「生活保障に関する調査」 グラフはデータをもとに編集部作成

何にどれくらいのゆとりを求めるのか、人によって考え方は変わってくるので、この値は目安にすぎません。しかし、この情報を一つの参考に、将来、どのような暮らしをしたいのか、そのためにどのくらいの資金が必要なのか、計画してみてはどうでしょうか。

老後の生活費 持ち家と賃貸だとどれくらい違うの?

マンション暮らしの場合だと生活費はどうなるのでしょうか。以下はマンションに居住している人に絞った場合のアンケート調査の結果です。

夫65歳以上、妻60歳以上の無職夫婦世帯の場合(マンション居住者に絞った場合)

税金等 24481円
食糧費 66124円
住居 33810円
光熱・水道 23375円
家具・家事用品 9468円
被覆・履物 9612円
保険医療 15044円
交通・通信 23993円
教育 1円
教養娯楽 29985円
交際費 29033円
そのほか 27984円
合計 292910円

先ほどの標準世帯(持ち家・マンションの区別なし)の場合と比べると、固定資産税の分だけ、税金等では生活費が安くなっていますが、居住費が高めになっています。

再び、フィディリティ退職・投資信託研究所の調査を見てみると、賃貸の人の家賃水準は5万円未満の世帯が39.7%、5~10万円の世帯が47.9%、10~15万円の世帯が9.4%になっており、平均では6.3万円となっています。一月当たり6.3万円の出費がかかるので、年間に直すと76万円弱となり、年金を主な収入基盤としている世帯には大きな負担になるでしょう。

同じアンケートでは、賃貸に住む人の60.9%がそのまま生涯賃貸で暮らすと、答える一方、12.8%の人は将来いずれかのタイミングで住宅を購入すると答えています。高齢になると賃貸契約の更新が難しくなると言われており、将来、自分が持ち家で暮らすのか、賃貸で暮らすのか、収入が安定している現役世代の内に考えておきたいところです。

老後の資金について

老後資金の必要経費の目安

夫婦二人ともが60歳で健康な世帯を例に考えます。夫婦世帯の一般的な生活費は1か月あたり約27万円です。これがどのくらいの年数分必要になるのでしょうか。2016年時点の60歳の平均余命は厚生労働省の資料より、男性が約24年、女性で約29年なので、少なくともこのくらいは生きることができると想定した方がいいでしょう。

そこで、男性は84歳まで、女性は89歳まで生きるとすると、夫婦で暮らせるのが、24年間、妻が一人で暮らすのが残りの5年間ということになります。ここから、必要経費を計算すると、27万円×12か月×24年間に16万円×12か月×5年間で8700万円ほどになります。

簡易的に平均余命を全うすることを仮定しましたが、実際には、約半分の人が平均余命よりも長く生きるので、もっと長い年月を生きると仮定した方が現実的です。さらに、これに加えて、介護費用や病気になった時の入院費用なども考慮すると、もっと多くの費用が掛かると想定するべきでしょう。現在60歳の男性では約20%の人が91歳まで、女性では約20%の人が96歳まで生きるとされています。5人に一人は90歳を超えるということを念頭に置いておくことも必要です。

ここまで必要な経費について見てきましたが、収入の面ではどうでしょうか。老後の収入といえば年金です。厚生労働者が2017年3月に公開した「厚生年金保険・国民年金事業の概況」という資料によると、年金支給額は、国民年金が平均月額で5万5千円、厚生年金は14万7千円(男性は16万6千円、女性は10万2千円)です。

厚生年金は勤続年数や報酬といった条件によって大きく変わるので、実際に自分がいくらもらえるのかは調べなければなりません。ここでは、夫が会社員、妻が専業主婦という、厚生労働省のモデルに従って考えていきます。このモデルで見ると、年金の受給額は世帯合計で月額22万円(国民年金+厚生年金)です。

65歳から受け取り始めるとして、夫の死後、妻が、夫の厚生年金の4分の3に当たる遺族厚生年金ももらうとすると、年金受給額は約6300万円ほどになります。年金の受給額は条件によって違います。夫婦二人ともが国民年金の場合は約11万円、夫婦共稼ぎで厚生年金を受け取る場合は約27万円になるので、注意が必要です。

年金に加えて、老後の資金の柱の一つになるのが、退職金です。退職金には大きく分けて、退職一時金のみを受け取る方法、退職一時金と年金で受け取る方法、年金のみで受け取る方法があります。フィディリティ退職・信託研究所の調査(2015年)によると、退職一時金のみを受け取る人が約64%と大半であり、退職一時金のみ受け取る場合を考えます。退職一時金の平均額は1700万円です。

この時、先ほどの経費と収入の収支を計算してみると、700万円程足りません。この差分は、退職後も働き続けて稼ぐか、現役時代に貯金しておくか、対策を立てておく必要があります。

老後資金 独身の場合

独身者の場合、先ほどの計算式で、夫婦2人分で計算していたところを一人分に直せばいいので、男性ならば16万円×12か月×24年間で4608万円、女性ならば16万円×12か月×29年間で5568万円ほど必要になる計算です。

老後資金を簡単にシミュレーションするためには?

老後資金を簡単にシミュレーションするには金融広報中央委員会が運営する「知るぽると」というサイトがおすすめです。自分の家族構成や収入状況を入力するだけで、無料ですぐに将来収支を測定してくれます。あくまで参考ですがぜひ有効に使ってみてください。

老後の一人暮らし

老後の一人暮らし

一人暮らしの高齢者の数は年々増加しており、厚生労働省の資料によると2015年の時点では18%の高齢者が一人暮らしをしています。性別ごとにみると、特に女性が21.1%、男性が13.3%となっており女性の方が高くなっています。これは女性の方が長生きする傾向にあるため、夫の死後も妻が単身世帯として生活を続けるためだと考えられます。

また、国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、2035年の時点では女性の23.4%、男性の16.3%が一人暮らし世帯になっているとされ、今後も一人暮らしの高齢者は増えつつづけるものとされています。現在でも一人暮らしは一般的なものであり、これから高齢者になる世代も一人暮らしになることは考慮しておいた方がいいでしょう。

老後の一人暮らしは寂しいと言われるが...

老後の一人暮らしは寂しいと思われがちですが、実はそういう面だけではありません。2015年の内閣府の調査では、「老後は誰とどのように暮らすのはよいと思うか」という質問に対して、「こどもと同居したい」と答えた人は23.7%で、「子供とは別に暮らす」と答えた人が36.7%でした。子供に対して気を使わなくて済むため、高齢になっても望んで子供と距離を置く高齢者が多いようです。自ら望んで一人暮らしをする高齢者は少なくなさそうです。

老後の一人暮らしでの不安や悩みは?

自ら望んで一人暮らしをしたとしても、老後の一人暮らしとなれば不安に感じる点は多くあります。内閣府の2014年の調査によると、一人暮らしをする高齢者は日常生活のどんなことに不安を感じるかという問いに対して、「健康や病気のこと」と答えた人が約60%、「寝たきりや身体が不自由になり介護が必要になること」と答えた人が約42%となっており、自分の体のことを不安に感じる人が圧倒的に多いことがわかります。一人暮らしになる前に自分の体のことや介護のことについてしっかりと把握しておくことが重要です。

老後の一人暮らしを賃貸で過ごすときのメリット・デメリット

住宅ローンの返済が終わると持ち家は楽になるのに対して、賃貸は長生きするほど家賃の支払いが長く続くので、定年前にはその分多めに貯蓄する必要があります。長く生きれば生きるほど、お金がかかる点が賃貸のデメリットの一つです。

そのため、老後になって貯蓄額が減りやすいのは賃貸に住む方です。また、老後を迎えるとそれまで住んでいた家では、不便なところが出てきます。持ち家だと、バリアフリーにするためにリフォームすることができますが、賃貸ではそうはいきません

そのため、それまでの住環境で済むことが困難になった場合、引越をする必要があります。老後になって別の賃貸に引っ越すという場合は特に注意が必要です。賃貸には保証人が必要になるケースも多く、老後になって、一人暮らしで保証人なしという条件のでは、仕事の有無にかかわらず、貸してもらえないこともあります。

老後の一人暮らしを持ち家で過ごすときのメリット・デメリット

賃貸は家賃を払い続けなければならない一方、持ち家の場合もローンが完済すれば費用がなくなるわけではありません。例えば、マンションであれば管理費、修繕積立金を支払う必要があり、戸建てでもそれに相当する資金を積み立てる必要があります。

また、固定資産税などの税金も払う必要があります。持ち家ははいざとなったら売って資金を得ることができるという利点を持ちますが、家屋自体は築20年以上になると評価額はほぼゼロになっていることが多く、土地自体の売却になります。

この際、解体費用や、税金もかかるので、あらかじめ、どのくらいの収入になるのか一度調べておいてもいいでしょう。

一方で、持ち家の場合、他人に家を貸したり、家を担保にお金を借りることができる等、活用次第では売らずとも、収入を増やすことができるというメリットがあります。例えば、自宅を担保にお金を借り、死亡時に一括返済するシステムである、リバースモーゲージ制度が代表的です。

老後の一人暮らし 認知症になってしまったら?

老後の一人暮らしの強い味方 任意後見制度

認知症などにより判断力が低下したときの対処法として、任意後見制度があります。任意後見制度とは、後見人に自分の判断力が低下した後の財産管理やさまざまな手続きを代行してもらうためのサービスです。

後見人は自分で選ぶことができ、配偶者や親族など、弁護士などの法律の専門家、社会福祉士などの福祉の専門家、生前契約を請け負うNPOなどがあげられます。また判断力が低下してから必要な支援だけでなく、判断力が低下する前に支援してほしい内容をあらかじめ決めておくことも可能です。

老後の一人暮らしではやはり近所づきあいが重要

自分の認知機能の低下について、他人にチェックしてもらえる任意後見制度ですが、専門家に依頼したときには、費用が発生します。依頼する専門家によって詳細は異なりますが、初期費用に10数万円かかり、その後も毎月数万円がかかることが一般的です。

もちろん、認知機能の低下は非常に大きな問題であり、この問題への対処はとても重要ですが、この負担は人によっては大きな負担となります。そこで、日々、顔を合わせるような地域コミュニティを持つことが大切です。

ご近所づきあいの中であれば、日常的な付き合いの中から、周囲が自分の変化に反応してくれます。一人暮らしであれば特にセーフティーネットとなる地域コミュニティを持つことを心掛けましょう。

介護で家族を不安にさせないために

介護とは

介護とは、日常生活は営むことが困難な方に対し、日常的な生活動作から健康管理まで全般的に支援し、日々の生活における満足を目指す行為です。そして介護は、日常生活を営むことがどれくらい「困難か」によって、必要とされる介護の大きさの目安が決められています。これを要介護度と言います。一番軽いものから順番に見ていくと、以下のようになります。

この要介護度によって、行政から受けられるサービスが変わってくるなど大きな影響があります。介護が必要かもしれないと感じたら、まず、本人の要介護レベルを把握しましょう。要介護認定は市区町村単位で行われます。本人の市区町村にまずは問い合わせてみましょう。

要介護度の確認
  • 非該当(自立)
    目安:日常的な生活は本人で行える。支援の必要はない。
    利用可能サービス:介護保険外のサービス、介護予防事業(市区町村が運営)
  • 要支援1
    目安:ADL(日常生活動作)は行えるが、IADL(手段的日常生活動作)の一部で支援が必要である。
    支給限度額/月:50030円
    利用可能なサービス:介護予防支援、介護予防サービス、地域密着型介護予防サービス
  • 要支援2
    目安:要支援1の状態よりも、IADL(手段的日常生活動作)の一部でさらに支援が必要である。
    支給限度額の上限/月:104730円
    利用可能なサービス:介護予防支援、介護予防サービス、地域密着型介護予防サービス
  • 要介護1
    目安:排泄や入浴など生活の一部で支援が必要である。
    支給限度額の上限/月:166920円
    利用可能なサービス:居宅介護支援、在宅サービス、施設サービス、地域密着型サービス
  • 要介護2
    目安:要介護1の状態からさらに歩行や起き上がりに部分的に介助が必要である。
    支給限度額の上限/月:196160円
    利用可能なサービス:居宅介護支援、在宅サービス、施設サービス、地域密着型サービス
  • 要介護3
    目安:ADL(日常生活動作)を1人で行えない。排泄等で介助が必要である。
    支給限度額の上限/月:269310円
    利用可能なサービス:居宅介護支援、在宅サービス、施設サービス、地域密着型サービス
  • 要介護4
    目安:ADLを行うのは難しく、理解能力の低下も見られる。
    支給限度額の上限/月:308060円
    利用可能なサービス:居宅介護支援、在宅サービス、施設サービス、地域密着型サービス
  • 要介護5
    目安:一人では日常生活ができず。理解力にも全般的な低下が見られる。
    支給限度額の上限/月:360650円
    利用可能なサービス:居宅介護支援、在宅サービス、施設サービス、地域密着型サービス

介護問題

介護問題の現状

要介護者の数は増え続けており、介護を必要とする人の数と介護を提供する人手のミスマッチから多くの問題が生じています。

介護問題
  • 介護問題:介護難民
    介護難民は、要介護認定を受けた高齢者が、介護施設に空きがなく、十分な介護サービスを受けられない問題です。介護施設に入れないだけでなく、自宅においても十分な介護が提供されない状況の高齢者が増えているのです。日ごろからの訓練で体を鍛えることや、もし介護が必要になった時のために家のバリアフリー化など、可能な準備をしておくことも大切です。
  • 介護問題:老老介護・認認介護
    老老介護とは、65歳以上の高齢者することです。夫婦で介護をする場合や、高齢の兄弟間での介護がこれに該当します。その中で特に、認認介護とは認知症患者が認知症患者を介護する状況のことを指します。介護自体、非常に体力のいる作業であり、介護者には相当な負担をかけており、介護疲れによる心中事件も発生しているほどです。
  • 介護問題:高齢者への虐待
    家庭や施設など、介護を受けるような弱い立場にある高齢者が、介護をする立場の者から虐待を受ける問題です。特に認知症患者などの場合、自ら助けを求めることが難しく、事態が慢性化しやすい点が深刻です。厚生労働省の平成27年度の調査によると、最も虐待が起きている場所は特別養護老人ホームで全体の30.6パーセントです。続いて、有料老人ホームが20.9パーセント、認知症対応型共同生活介護が15.9パーセント、介護老人保健施設が9.1パーセント、訪問介護等が6.1パーセントとなっています。介護は非常に重労働なので心身の疲労がたまりやすいです。そのため、特に在宅介護をしている場合、適度にデイサービスを利用して、介護する側がリフレッシュを行うことが大切です。
  • 介護問題:成年後見人トラブル
    成年後見人トラブルとは、本来、本人の財産を管理し、守る立場にある成年後見人がその財産を横領したり、適切な管理を行わないというトラブルです。親族ではなく、弁護士などの専門家の成年後見人に頼んでも、トラブルが起きる場合があり、成年後見人を本当に信用できる人に頼むという見極めがとても大切です。

介護問題について相談したい時

介護問題について相談したいときは地域包括支援センター市区町村の窓口を利用しましょう。この時、高齢者本人が居住している市区町村の窓口に電話やメールで相談することが大切です。

多様化する介護施設

介護施設の種類

介護施設の種類は大きく分けて4つです。民間の有料老人ホーム高齢者向け住宅グループホーム公共施設である介護保険施設福祉施設の4つです。

有料老人ホームはさらに3種類に分類され「介護付き有料老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」「健康型有料老人ホーム」に分かれます。介護保険施設と異なる点は、入居条件を満たしてさえいれば、施設に空室があるとすぐに入居できる点です。

高齢者向け住宅は民間の運営する高齢者向けの住宅です。グループホームやサービス付き高齢者向け住宅が含まれます。サービス付き高齢者向け住宅とはまだ介護の必要のない高齢者向けに簡易的な安否確認や生活相談といった、比較的な軽いサービスのみを提供しています。グループホームとは、認知症と診断された方が職員の援助を受けながら共同生活を送る施設のことす。

介護保険施設は施設サービスとは、公共の老人ホームに入居するタイプのサービスのことで、介護給付を受けた人しか利用できません。例えば、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設で行われるサービスです。

介護施設の中で特に安価に利用できる施設で、自治体などによって運営されます。安い費用で利用できるため、競争倍率が高く、一般に入居の難易度が高いことが多い点が特徴です。

介護施設の費用

次にそれぞれで必要になる費用について見ていきます。介護施設の費用には大きく分けて入居金と月額利用料の2種類あります。

民間の運営する有料老人ホームの場合、入居金は0円から、中には1億円以上する物件もあり、施設ごとの差異が非常に大きいです。月額利用料の目安としては、12~40万円ほどが一般的です。

介護保険施設は入居金はかかりません。月額利用料も比較的低価格な7~17万円程度です。
サービス付き高齢者向け住宅では入居金は家賃2~3か月分が大半を占め、その月額利用料が5~25万円ほどです。グループホームは入居金としてサービス付き高齢者向け住宅よりも少し高い10~100万円ほどで、月額利用料としては12~20万程度です。

福祉施設として、例えば、ケアハウスの場合、入居金は0~数百万円ほどで、月額利用料が8~20万円程度になっています。

介護施設の選び方

介護施設が必要になった時、まずは地域にある老人ホームや介護施設の情報を収集しましょう。現在はインターネットで調べれば、種類別に簡単に検索できるようになっているので、まずはインターネットで検索してみましょう。次に個別の施設について、資料請求をしましょう。ウェブ上で簡単に資料請求できるサイトも多いのできっと役に立つでしょう。

資料請求をして、よさそうな介護施設をいくつかリストアップしたら、今度は見学に行きましょう。この時、比較のためには、できるだけ多くの判断基準を作ることが大切です。本人だけでなく、ご家族の方も一緒に行くことで、気づける点も増えるはずです。

また一つだけでなく、複数の施設を見学に行きましょう。もし合わなくて断っても、失礼には当たらないので多くの施設を検討しましょう。

介護費用

介護費用は月額いくら?

介護には、介護施設に払うお金だけでなく、在宅で介護する場合はその費用、また自宅をバリアフリー化するための費用なども必要であれば掛かります。介護を行ったことのある人を対象にしたアンケート調査では、実際に介護にかかった期間は平均で約5年となっています。

介護を行った期間

6カ月未満 6カ月~1年未満 1~2年未満 2~3年未満 3~4年未満 4~10年未満 10年以上 不明 平均
5.8% 6.2% 11.6% 14.2% 14.5% 29.9% 15.9% 1.9% 59.1ヵ月

生命保険文化センター 「生命保険に関する全国実態調査」 平成27年度

また、実際に月額でかかった費用の平均と、一時的な出費(ベッドなどの初期費用含む)は次のようになっています。

一時的な出費の分布

掛かった費用はない 15万円未満 15~25万円未満 25~50万円未満 50~100万円未満 100~150万円未満 150~200万円未満 200万円以上 不明 平均
17.3% 13.9% 8.3% 7.7% 9.0% 7.9% 1.9% 7.1% 26.8% 80万円

介護にかかる月額の分布

支払った費用はない
1万円未満 1万~2万5千円未満 2万5千~5万円未満 5万~7万5千円未満 7万5千~10万円未満 10万~12万5千円未満 12万5千~15万円未満 15万円以上 不明 平均
5.2% 4.9% 15.1% 10.2% 13.8% 7.1% 9.8% 3.4% 16.4% 14.1% 7.9万円

生命保険文化センター 「生命保険に関する全国実態調査」 平成27年度

このデータをもとに介護にかかる費用を計算してみると、以下のようになります。

平均月額 × 平均月数 + 平均一時出費

= 7.9 × 59 + 80 = 約546万円

平均的に概算しただけなので個人によって必要経費は異なりますが、500万円くらいは見積もっておいた方がいいでしょう。

介護の必要資金に対する安心感・不安感に関するアンケートでは、約80%の人が「少し不安である」「非常に不安である」と答えており、介護費用については、現役時代の内にしっかりと考えておく必要がある問題だと言えるでしょう。

在宅介護の費用の平均

生命保険文化センターの調査では、介護経験者のうち、57%の人が自宅または親族の家で介護を行っています。今はまだ健康でも、これから介護が必要になると想定する場合、要介護度によりますが、まずは在宅での介護を想定するのが自然でしょう。

生命保険文化センター 「生命保険に関する全国実態調査」 平成27年度 グラフはデータをもとに編集部作成

それでは、在宅介護にかかる費用は月額でどれくらいになるのでしょうか。在宅介護にかかる費用は主に2種類あります。訪問ヘルパーやデイサービスの利用など介護保険による介護サービスの利用にかかる費用と、 医療費やおむつ代などの介護サービス以外の費用です。

家計経済研究所の2016年の調査によると、在宅介護において、介護サービスにかかる費用は、平均で1か月あたり3万4千円、介護サービスにかかる費用は平均で1万6千円で、合計すると、平均で約5万円となっています。

介護について相談したい

介護を無料で相談するには

要介護認定を受けていなかったり、困っていることがあるが誰に効けばいいのかわからないというときには地域包括支援センターや福祉施設に相談してみましょう。それぞれ自治体に問いあわせることで、最寄の事業所を聞くことができます。

地域包括支援センターは主に市町村等各自治体ごとに設置されており、常駐するスペシャリスト(保健師や社会福祉士、ケアマネジャー)たちが、地域の高齢者の介護予防や日々の暮らしをさまざまな側面から包括的にサポートしています。

福祉事務所は各市区町村の自治体に置かれているもので、名称は自治体によって異なりますが、老人ホームへの入所、ホームヘルパー等の派遣など高齢者福祉についての相談を受けつけています。福祉事務所は市区町村によっては他の窓口の一部として機能している場合もあります。

介護の相談を窓口で丁寧に行いたい時

もし要介護認定を受けている場合、先ほどの2施設に加え、在宅介護支援事業所が利用できます。在宅介護支援事業所は介護施設と併設されていることが多く、常駐するケアマネジャーが、介護認定を受けた人に対しケアプランを作成したり、介護施設を紹介したりなど、介護について要介護者と介護サービスをつなげる役割を担っています。担当のケアマネジャーがつき、そのケアマネジャーに詳しく介護について聞くことができます。

介護のデイサービスとは

介護のデイサービスとは

デイサービス(通所介護)とは、要介護認定をされた方を対象に、日帰りで施設に通いながら受けられるサービスです。特別養護老人ホームやデイサービスセンター等の福祉施設で、お食事やご入浴、レクリエーション、健康状態の確認、機能訓練等を受けられる介護サービスです。要介護者の社会参加の促進や心身ののリフレッシュ、家族の介護負担の軽減等を主な目的としています。基本的に送迎バスや送迎車で移動することが多いです。そのため、利用者の家族が送り迎えをする必要はありません。

老後の住まい

老後は足腰が弱まり、ちょっとした段差などが不便になります。また、介護が必要になってからは、風呂場で介護者の入るスペースが必要になるなど、さらなる対応が必要になります。このカテゴリーでは、そんな老後の住まいに対する不満をどう解消していくか、住居をバリアフリー対応にしていく観点から紹介していきます。

バリアフリー住宅にリフォームしよう

バリアフリーの住宅が必要になった時、買い替えるためには多額の資金が必要になります。ここでは費用を比較的安く抑えられるリフォームに着目したいと思います。「バリアフリーリフォーム」とは住まいにおいて事故のない快適な暮らしを実現するための改修のことです。

個人の悩みによってさまざまな改修箇所があり、一度に全てバリアフリー化を進めても、必要度合に応じて、気になるところから段階的に進めてもいいでしょう。

主な改修内容としては、「段差をなくす」「手すりをつける」「扉から引き戸にする」「ヒートショック対策」「明るい足元にする」「すべらない床材に変える」などです。

病気やケガなどで、介護が急に必要になった時は、リフォームは緊急を要します。しかし、そうではなく健康な場合はなかなかタイミングを計るのが難しいと思います。

リフォームをするにはそれなりに労力と経済的な負担がかかります。バリアフリーリフォームは経済的にも身体的にも余裕があり先々のことまで考えられるうちに始めることをおすすめします。

バリアフリー住宅にリフォームするときの費用は?

リフォームの内容によって変動しますが、バリアフリー対策として必要な改修を複数箇所行った場合、100〜200万円程度がマンションにおけるバリアフリーリフォームの相場のようです。要介護認定を受けていると、市区町村からバリアフリー化のための援助を受けることができる場合があります。

介護が必要な方がいるご家庭などはバリアフリー改修促進税制や住宅改修費保障制度が適用されるかを市区町村に確認するといいでしょう。各自治体に問いあわせることで、リフォーム内容や条件によってどのくらいの金額の支援が受けられるのかなどを確認することができます。

また、住宅リフォーム推進協議会のウェブサイトからも、各自治体の補助金制度を調べることが可能です。

風呂をバリアフリー化したい

風呂場 リフォーム バリアフリー
お風呂は一日の疲れを洗い流せる場所である一方、高齢者、特に介護が必要な方にとっては不便を感じやすい場所でもあります。浴室のリフォーム個所としてあげられるのは、入りやすい浴槽への変更、手すりの設置、床材の滑りにくいものへの変更、暖房の設置などです。また特に介護が必要な方には、介護をする人も一緒に入れるだけのスペースが必要です。浴室ではお湯につかるため、要介護者にとっては気を付けて検討したい箇所です。

風呂をバリアフリーする価格相場は?

リフォーム評価ナビによれば、風呂場のバリアフリーの目安として、反埋め込み式浴槽への変更は50万円から80万円程度、浴室暖房乾燥機の取り付け費用は10万円から20万円程度だそうです。

トイレをバリアフリー化するには

トイレのバリアフリー化リフォーム

年を重ねるにつれて、家で過ごす時間が長くなり、またトイレに行く頻度も増えます。そのため、トイレのリフォームはとても重要です。トイレのリフォームの箇所は手すりの設置、色々な機能のついた便器の設置、外開きのドアへの切り替えがあります。ドアを外開きにするのは、中で人が倒れた際、入れなくなってしまうからです。介助が必要な場合や車いすを使用する場合を考えて、スペースの拡張や手すりの取り付けも考えておきましょう。

トイレをバリアフリーするために必要な費用は?

リフォーム評価ナビによれば、和式トイレから洋式トイレへのリフォームは22万円から57万円程度、L字型の手すりの取り付けは2万5千円から4万5千円手程度だそうです。