養老保険控除はどうやって受ける?控除枠や申告方法について解説

養老保険は生命保険の一種として、所得控除を受けられます。加入している養老保険の控除を受けるためには、どうすればよいのでしょうか。知っておきたい基礎知識とあわせて、養老保険料控除の受け方について説明します。

養老保険控除ってなに?

養老保険とは、万一のときの保障額と同額を、満期時に『満期保険金』として受け取れる生命保険です。たとえば、万一の時の死亡保険金が1,000万円で、満期を迎えた際に存命だった場合には、満期保険金として1,000万円を受け取れるというものです。

満期年齢が60歳前後に設定されることが多いことから、老後の備えとして活用する方が多いというのも養老保険の特徴です。養老保険は、生命保険の一種として、所得控除を受けられます。

養老保険控除は生命保険控除になる

養老保険は、医療保険やがん保険などと同じように、保険料に応じた控除を受けられます。

生命保険料の控除は、一般生命保険料控除・介護医療保険料控除・個人年金保険料控除の3種類に分類されています。養老保険はそのうち、『一般生命保険料控除』に該当します。

税金の負担が軽くなる

生命保険料控除は、所得税や住民税負担の軽減につながる制度です。そもそも、所得税や住民税は、収入から経費や控除分を引いた『課税所得』によって定まります。

生命保険料控除を利用すると、その年に払った生命保険料のうち一定額が所得から減額され、その結果、所得税や住民税の負担が軽くなるというわけです。生命保険料控除は節税対策の基本と言えます。

養老保険料控除で知っておきたいこととは?

養老保険の保険料控除を受けるうえで知っておきたいのは、『控除の限度額』と『保険料を支払った期間』の主に2点です。詳しく解説します。

新制度と旧制度で限度額が変わる

生命保険料控除には、新制度と旧制度の2つがあります。新・旧の変わり目は、平成23年12月31日です。旧制度における養老保険の最大控除額は5万円ですが、新制度では最大控除額は4万円です。

平成23年12月31日以前に加入した保険の場合は旧制度が、平成24年1月1日以降に加入した保険の場合は新制度が適用されます。平成24年1月1日以降に、更新・転換などをした場合にも、新制度が適用となります。

養老控除は1年間で支払った保険料が対象

生命保険料控除は、1月~12月までの1年間に支払った保険料の総額に対して行われます。1年の間に養老保険を解約した場合には、1月から解約した日までに支払った保険料が控除対象となります。

保険料控除証明書の提出が必要

保険料控除では、支払った保険料を正しく提示しなければなりません。そのために必要となるのが、『保険料控除証明書』です。

『保険料控除証明書』は、加入先の保険会社から届く書類(ハガキなど)です。例年その年の10月頃に発行されるため、10~12月分は支払い予定額として表記されます。

養老保険料をはじめ、生命保険料控除には欠かせない書類ですので、手元に届いたら申告まで大切に保管しておきましょう。

養老保険料控除の受け方

保険料控除で最も大切なのは、確実に申告することです。養老保険料で保険料控除を受ける方法をしっかりとおさえましょう。

給与があるなら年末調整

会社員など、給与の支払いを受けている方は、11月~12月頃に手続きを行う『年末調整』で保険料控除を申告します。年末調整で使用される『給与所得者の保険料控除申告書(※)』に、加入している養老保険の情報を記載して申請します。

サラリーマンなら一度は見たことがある書類でしょう。養老保険料だけでなく、医療保険料や社会保険料なども、同じ書類で申告します。

(※以前は『給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書』でしたが、平成30年以降は兼用様式が廃止されました)

自営業の場合は確定申告

給与支払いを受けていない自営業の場合は、確定申告と合わせて養老保険料の控除も申告します。確定申告書の『生命保険料控除』の欄に、1月から12月までに支払った保険料と、控除額を記入します。

確定申告の時期は、原則として2月16日~3月15日です(土日に重なった場合は前後します)。期限を過ぎるとペナルティもありますので、確実に手続きしましょう。

なお、先に『給与があるなら年末調整』と説明しましたが、サラリーマンでも理由があって確定申告を行うという場合には、忘れずに生命保険料控除の申告が必要になりますので注意してください。

まとめ

以上、所得税・住民税の軽減になる養老保険料の控除について解説しました。生命保険に加入するということは、社会保障の費用を個人で負担することにつながるため、生命保険料控除というかたちで税制優遇措置が取られているのです。

人によって年末調整や確定申告など、申告の仕方が変わってきますのでよく確認し、保険料控除を確実に活用しましょう。