定年までにどれくらい貯金が必要?老後の不安を解消しましょう

定年退職後は悠々自適な生活を送る、というのはひとつの理想ですが、前準備がなければ難しいのが現状です。特に老後資金は前もってしっかり準備をしておかなければ、老後に貧困に陥る可能性もあります。必要な貯蓄額を把握して、老後の生活に備えましょう。

定年までにいくら貯金すればいい?

一定の年齢になると、仕事を退職する時期が訪れます。一般的には、65歳以上で『定年退職』となり、雇用契約が終了となります。

定年退職後は年金をもらう生活となりますが、もらえる年金が生活するためには十分ではないこともあり得ます。そんな事態を防ぐためにも、老後に備えて貯蓄をしておくことに越したことはないでしょう。

ここでは定年退職をするまでにいくら貯金をしておけばいいのか解説します。

独身なら6000万円の貯金で大丈夫?

老後のための貯蓄額の目安としてよく提示される金額は、一人あたり『3000万円』だといわれています。

しかし、この額は実は1980年代ともいわれ、現在とは平均寿命も異なります。もちろん、現在の方が30年以上前よりも長生きする人が増えています。

ということは、65歳から先、生活をする期間も自動的に以前よりも長くなります。このことから、3000万円では不十分という意見が多くみられます。

定年後にどの程度長い生活が待っているかは、誰にも予測はできません。できるだけ余裕を持った額を用意しておくという意味でも、独身者であっても一般的な目安の2倍である、一人あたり6000万円の貯蓄をしておくことが推奨されています。

夫婦は平均1億円必要?

では、夫婦2人の老後の生活に必要な額はどの程度かというと、ゆとりがある生活のためには1億円は用意しておいた方がいいといわれています。

ただし、これは住宅ローンの支払いが終わっている場合です。ローンが残っていたり賃貸住宅にお住まいであったりする場合は、出費がさらに増えます。家賃を10万円と過程すると、さらに3000万円ほど用意しておくべきといえます。

また、この数字は定年後25年の生活での資産となっていますから、長生きすればするほど、生活に必要な額はさらに増えていくことも考慮するべきでしょう。

将来の公的年金支給額は減ると予想される

今現在、毎月年金保険料を支払っているけれど、本当に将来年金がもらえるのかと疑問に思う人は少なくないでしょう。

将来、年金がまったくもらえなくなることはないといわれていますが、年金受給額は将来的に減ってしまう可能性があります。一説には、2055年にもらえる年金額は月額15.2万円だそうです。

これはあくまでも予想なので今後変動する可能性はありますが、将来的に物価の上昇も予想されているため、年金のみでの生活は難しい額といえるでしょう。

貯金ゼロだと老後が危ない?

年金だけをあてにしていると、いざ定年退職をした後に生活が行き詰まってしまう危険性があります。そうならないためにも、働いている間に将来に備えた貯蓄をしておいたほうが良いといわれています。

若年層の貯金額の平均は?

定年退職後の生活に備えるためには、必要な額も大きいため、できるだけ若い頃から貯蓄をしておきたいものです。しかし、今の20代~40代の貯蓄額は低いといわれています。

平成28年に『金融広報中央委員会』によって行われた『家計の金融行動に関する世論調査』によれば、20代の平均貯蓄額は単身世帯で158万円、2人以上で215万円です。30代では単身世帯で500万円、2人以上で400万円という数字が出ています。

全世代の平均貯蓄額が1820万円ですから、20代~40代の貯蓄額は平均にはるかに及んでいないことがわかります。

貯金なしだとこんな危険が考えられる

現時点で、年金のみの生活を送っている『貧困高齢者世帯』はすでに500万世帯も存在しているそうです。今後、この数字はさらに増加していくことが予測されています。

年金だけでは生活が厳しい状況となれば、貯金がないと生活に困窮してくることは明らかです。

さらに、高齢になれば身体の不調も増え、介護が必要になることもあります。もし貯蓄がなければ、医療や介護にかかる出費も増えるのにもかかわらず、十分な医療や介護を受けられなくなる可能性も高くなってしまいます。

ですから、年金だけをあてにせずにできるだけ将来へ備えた貯蓄をしておくべきです。

安定した定年後を目標に貯金額を増やそう

定年退職をして働けなくなった時になって、生活のためのお金が足りないと気づいたのでは、『時すでに遅し』です。

できるだけ前もって老後の生活に備えて、ライフプランや資産についてきちんと考えておきましょう。

ライフプランを見直す

ネット上では、現在の生活スタイルからどのようなお金の使い方・貯蓄をするべきかを診断してくれるライフプラン診断などもあります。

今一度現在の生活スタイルを見直して、今からでも老後に備えた貯蓄をしてみるのもいいでしょう。

資産運用でしっかり貯金

収入も賞与もなかなか上がらないから貯蓄がしづらい、という場合は、資産運用を検討するのもひとつの手段です。

資産運用というと多額のお金が必要というイメージもありますが、少額からの投資信託や定期預金もあります。株投資も、少額から行えるものもあるので、低リスクでの資産運用も可能です。

まとめ

ゆとりある老後の生活は、年金収入だけでは難しいものです。年金だけに頼るのではなく、若いうちに老後に備えた貯蓄や資産運用を行っておけば、不安なく老後の生活を過ごせます。

老後の準備に『早すぎる』はありません。できるだけしっかり将来のためのお金を用意して、悠々自適な生活を送りましょう。