葬儀のマナーを覚えて受付へ。気を付けることを立場別に紹介

葬儀に参列した際、受付ではどのように振舞うのが正しいのでしょうか。今回は参列者・代理での参列・受付係の3つの立場で、正しいマナーを紹介します。葬儀の手伝いを頼まれた際にも落ち着いて対応できるよう、受付のマナーをおさえましょう。

葬儀の受付でのマナー

まずは、葬儀に参列した際の受付での一般的なマナーを紹介します。受付では「このたびはご愁傷さまでございます」と挨拶をし、香典を差し出します。その後、芳名帳に記帳するのが一般的な流れです。

香典はふくさなどに包んでおく

香典は、あらかじめ不祝儀用の「ふくさ」に包んでおくのがマナーです。受付に並んだら、ふくさに包んだまま、香典をかばんから取り出し、用意しておきます。そして、自分の番が来たらふくさを開き、香典袋だけを受付の方に手渡します。

このとき、「このたびはご愁傷さまでございます」とお悔やみの言葉を述べ、香典袋を差し出すのがマナーです。香典袋の名前を、相手が読みやすい向きにして手渡しましょう。

記帳はわかりやすくはっきりと書く

香典を手渡すと、受付の方から記帳を促されます。故人や遺族と親しくしている場合は、住所は省略したい場合もありますが、正しく記載するのがマナーです。

後日、遺族が香典返しやお礼のために、この芳名帳を使うことがあるからです。住所・氏名ともに、読みやすいようはっきりと、正確に記載するようにします。

また、受付が混み合っている場合でも、丁寧に書くのを忘れないようにするのもポイントです。慌てる必要がないよう、あらかじめ時間に余裕をもって到着するのがおすすめです。

代理で受付をする時のマナー

取引先関係者などの訃報に際し、上司の代わりとして葬儀に参列することは珍しいことではありません。「代理」で葬儀に参列する際でも、受付での挨拶や香典の渡し方は同じですが、記帳の仕方が少し異なります。

参列するはずだった人の名前を記帳する

葬儀に代理で参列する際は『本来参列するはずだった人』の名前で記帳します。上司の代理という場合は、役職名や肩書とともに、上司の名前を記します。そのうえで、上司の名前の左隣に小さく、「代」あるいは「代理」と記載するのがマナーです。

こうすることで、本来参列するはずだった人のお悔やみの意と、代理の者が参列したことの両方を記すことができます。

名刺を出す時は弔と代を書く

企業関係者として葬儀に参列した際には、本来参列するはずだった人の名刺を求められることもあります。名刺を渡す際には、本来参列するはずだった人の名刺の右上に『弔』、自分の名刺の右上に『代』の文字を記すのがマナーです。

求められなかった場合でも、香典と一緒に名刺を手渡すこともあります。あらかじめ、上司から名刺を預かっておくのがおすすめです。

受付係の手伝いを頼まれた時のマナー

同僚に不幸があった場合には、葬儀の受付を頼まれることがあります。遺族の気持ちを汲み、こころよく引き受けるとともに、失礼のない対応が望まれます。

挨拶や言葉遣いは丁寧に

葬儀の受付では、遺族に代わって対応するだけに、きちんとした挨拶や丁寧な言葉遣いでの応対が必須です。まず、参列者のお悔やみの言葉に対して、「本日はお忙しい中お越しいただきまして、ありがとうございます」と挨拶をします。

香典は「お預かりします」と声をかけながら、両手で受け取ります。所定の場所に保管する際も、両手で丁寧に取り扱うのがマナーです。

記帳を促す際には、「恐れ入りますが、こちらにご住所とお名前をご記入ください」と丁寧に声をかけましょう。最後に、返礼品を渡して会場へと促します。

会場の作りや式の流れを確認しておく

受付をする際は、会場の全体図や葬儀の一連の流れを把握しておきましょう。特に、お手洗いの場所と、葬儀の開始時刻はよく質問される項目です。聞かれたら滞りなく答えられるようにあらかじめ把握しておきましょう。

また、受付の設置場所によっては、駐車場係として駆り出されることもあります。そのため、駐車スペースをはじめとした葬儀場の屋外施設についても、一通り確認しておくと便利です。

服装は黒のスーツで派手なものは避ける

受付係の服装は、参列する際と同様に喪服が望ましいでしょう。男性・女性ともに黒のスーツを着用します。女性は黒のワンピースでも構いませんが、いずれの場合も、光沢のない深い黒色の服を選びます。喪服やブラックフォーマルであれば、まず間違いありません。

靴も黒い革靴、あるいはパンプスにし、光沢のあるものは避けます。飾りのあるものもさけ、華美な印象を与えないようヒールも低いものが無難です。

また、メイクや髪形にも注意が必要です。派手なアクセサリーは避け、長い髪は後ろで束ねるなどしてまとめます。メイクも色味をおさえたナチュラルなメイクがよいでしょう。

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まとめ

受付は、立場によって守るべきマナーが変わります。参列者としては哀悼の意を表し、受付係としては弔問客に感謝の意を示します。いずれの場合も、葬儀のしめやかな雰囲気を損なわないよう、落ち着いて参列しましょう。