葬儀の受付係を任されたら?受付の役割やマナーを紹介

受付は葬儀全体のイメージを決める顔の役割を持っています。そんな受付のマナーが悪ければ故人への心象まで悪くなりかねません。ここでは、葬儀の受付を頼まれた際に知っておきたい身だしなみやマナー、すべきことなどについて紹介しています。

お通夜や告別式の受付の役割とは

受付は弔問客をお迎えする大切な役割を持っています。挨拶をした後は芳名帳に記帳してもらい、香典を受け取り、会葬御礼品を渡すまでが一連の流れです。場合によっては受付が香典の会計をすることもあります。

受付開始後は忙しくなることが予想されるので、開始前に焼香を済ませ、芳名帳、筆記用具、香典受け、名刺受けを机上に並べておきましょう。弔問客が使用するペンのインクが出るかどうかも確認しておきます。

芳名帳に記帳してもらう

葬儀中の喪主は大変忙しいため、参列者全員に挨拶をして回るのは難しくなります。そこで必要になるのが芳名帳です。通夜と葬儀の参列者それぞれに、名前や住所を書き記してもらうことで、誰がいつ来てくれたのかを後に把握することが出来ます。

受付は会葬への御礼を述べた後、弔問客に芳名帳への記帳を促します。通夜で既に香典を出しており葬儀は参列するだけの場合は弔問客から申し出があるので、その旨を芳名帳に記しておきましょう。

何冊かの芳名帳にそれぞれ名前を書き記していくのが一般的ですが、最近ではカード状の芳名帳も増えているようです。カード状の芳名帳には名刺を挟めるものもあるので、事前にチェックしておきましょう。

香典の受け渡しをする

芳名帳に記入して頂いた後は弔問客から香典を受け取ります。香典は両手で受け取りましょう。

また、弔問客以外にも、通夜や葬儀に来られなかった人から預かった香典を渡されることもあります。その場合は芳名帳ではなく香典帳に名前と住所を書き記してもらいましょう。

この香典帳は葬儀の後、喪主が返礼品を贈るために必要となるので、大切に管理する必要があります。葬儀中に芳名帳と香典袋を確認して記入漏れがないか確認するのも受付の大切な役割です。

電報を受け取った場合も要注意です。葬儀中に司会者が読み上げる場合が多々あるので、電報や花などを受け取った場合はリストにまとめて司会者に渡しましょう。

返礼品を渡し会場案内をする

会葬に来て頂いた御礼に返礼品を渡します。しかし規模が大きくなると、返礼品を一人ひとりに渡すのは大変混雑してしまうので、返礼品用の引換カードを渡す場合もあります。引換カードを渡す際は焼香が終わった後取りに来てもらうよう伝えましょう。

また、葬儀を欠席した人の香典を預かってきた人には、欠席した人の分の返礼品も渡します。ここまでが受付の一連の役割ですが、その他にも弔問客からの質問に答えたり、荷物を預けられたりすることもあります。

駐車場の位置や遺族の控室、葬儀の開始時刻やトイレの場所など、あらかじめ把握しておくと安心です。

受付時の服装は?

受付時は遺族の代わりに弔問客を迎える役割なので、必ず喪服で過ごします。肌を大きく露出するものは着用せず、慎みを持った服装にしましょう。

女性の履くストッキングは肌色でも黒色でも構いませんが、黒色のストッキングを履く場合は出来るだけツヤのないものを用意します。また、男性は黒色の靴下を用意します。

学生が受付に立つ場合は学生服でも大丈夫です。学生服がない場合は黒のブレザーに白いシャツ、黒いズボンやスカートを着用します。

髪型はどうしたらいい?

髪型は清潔な印象を心掛けましょう。髪が長い場合は後ろでまとめるなど慎みのある髪型にします。ネット付の髪飾りやバレッタを使うと、すっきりとまとめやすいでしょう。

光るものや艶のあるものなどの派手な髪飾りは避け、シンプルにまとめます。リボンなどの飾りがついている場合は、艶が無い黒や紺色の物を使用しましょう。

アクセサリーは?

靴や鞄、男性の場合はネクタイも黒で統一します。エナメルや光り物の付いた靴は履かないよう注意しましょう。また、受付は動き回ることが多いため、女性の場合はヒールの低い靴を履いておくのがおすすめです。

その他のアクセサリーも最小限にとどめ、華美にならないよう気をつけましょう。もし真珠や黒珊瑚のアクセサリーをつける場合は、これ以上不幸が続かないようにと願いを込めて1連の物や1粒だけの物を使用します。

また、メイクをする場合は出来るだけ薄化粧に留めます。ノーメイクである必要はありません。

受付時のマナーについて 

葬儀の受付は、言葉遣いや立ち居振る舞いに注意が必要です。結婚式や会社の受付を経験している人も、葬儀ではまた違った点に注意する必要があります。

言葉遣いに気をつける

弔問客の受付をする際は必ず初めに挨拶をします。『本日はお忙しい中足をお運び頂きありがとうございます。』など、弔問客を労う言葉をかけましょう。

また忌み言葉を使わないよう気をつけましょう。忌み言葉には『重ね言葉』や『不吉な言葉』などがあります。『度々』『四苦八苦』などを避けた言葉選びが大切です。

もちろん挨拶以外でも丁寧な言葉遣いを心掛けます。芳名帳に記入してもらう際にも『恐れ入りますが、こちらにお名前と住所を頂戴してよろしいでしょうか。』など丁寧に案内しましょう。あまり慣れていない人はあらかじめ何度か練習しておくのもおすすめです。

表情や立ち振る舞いに気をつける

結婚式や会社の受付ではプラスに受け取られる笑顔ですが、葬儀において笑顔になるのは失礼にあたります。声のトーンは控えめにして、悲しそうに、または無表情で話すようにしましょう。

あくまでも遺族の代わりに受付に立っているということを意識して、立ち居振る舞いに気をつけることが大切です。

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まとめ

受付では芳名帳への記入から香典や返礼品の受け渡し、会場の案内までをします。後に大切な資料となる芳名帳や香典などの貴重品の管理には十分に気をつけましょう。

また、葬儀の受付は弔問客を遺族の代わりに迎える大切な役割です。服装や髪型、言葉遣いなどは慎みのあるものにし、弔問客や遺族に失礼のないようにマナーを守って過ごしましょう。