今回は家族葬の際にどのような服装をすべきかを、喪主、喪主の妻、子供、その他に分けて紹介します。『家族葬だし服装なんてなんでも良いのでは』と思う方もいるかもしれませんが、親しき中にも礼儀ありです。適切な服装で葬儀に参列しましょう。
目次
お葬式が家族葬だった場合の服装
礼装とは、冠婚葬祭など威儀や敬意を表す必要がある場で着る正装のことです。礼装のうち、通夜や葬儀・告別式で着る服を喪服といいます。
喪服は黒が一般的で、できるだけ光沢が目立たない素材が使われています。また、喪服には格式の違いがあり、正式礼装、準礼装、略礼装の3段階があります。
親戚や親しい友人だけで行われる家族葬だとしてもこの前提知識は持っておきましょう。
子供の服装は?
子供の場合、もちろん喪服がベストですが、ない場合は制服が無難です。もし制服もない場合は、カジュアルすぎない黒やグレーの地味な格好にしましょう。
靴はスニーカーでも良いですが、蛍光色や派手なデザインのものは避けましょう。靴下は黒か白かグレーで長めのものにします。くるぶし丈の靴下はカジュアルな印象になるので、マナー違反です。
喪主の服装は?
先ほど喪服には格式があると述べましたが、家族葬で最も格式の高い正式礼装を着用するのは、喪主とその妻のみです。
男性の喪主の場合、洋装の正式礼装はモーニングコートです。ジャケット、ベスト、黒かグレー地に細いストライプ模様が入ったズボンで構成されます。
ジャケットは乗馬用に前裾を大きく斜めに切った形状で、18世紀のイギリス貴族の乗馬服に由来しているそうです。基本的にシャツは白無地、ネクタイは黒無地になります。
和服の場合、正装礼装は紋付き袴です。準礼装であるブラックスーツでも構いません。ブラックスーツについては、『参列者の服装』の項目で詳しく解説します。
喪主の妻の服装は?
喪主の妻も、葬儀で最も格式の高い正式礼装を着用します。
和服の場合、紋付き袴・黒無地の着物です。アクセサリーは結婚指輪のみ、つけたままでも問題ありません。
女性の正式礼装は、洋服の場合、準礼装との区別が分かりにくいのですが、襟元が準礼装よりきっちりしまっており、スカート丈が長く、袖は長袖で、装飾がなくシンプルなものになります。
もちろん準礼装に該当する、黒無地のワンピースやアンサンブル、スーツでも構いません。
洋服の場合、結婚指輪に加えて一連の真珠のネックレスをつけることができます。真珠は涙の象徴と考えられており、葬儀にふさわしいと考えられているからです。
参列者の服装は?
参列者は喪主やその配偶者よりも格式の低い礼装を着用しなければなりません。正装礼装は禁止です。
男性の場合、準礼装であるブラックスーツが適切です。ブラックスーツはビジネススーツとは違います。ビジネススーツには光沢感がある生地が使用されている場合が多いため、喪服としてはマナー違反です。
女性はできるかぎり黒無地で光沢が抑えられ、透けない素材のワンピースやアンサンブル、スーツになります。
また、ときどき葬儀の案内で『平服でお越しください』と言われる場合があります。平服とは普段着という意味ですが、葬儀の場合には『かしこまらないでください』という意味です。普段着ではなく、準礼装で参列しましょう。
一般の参列者は女性も男性も準礼装で参列すればマナー違反になることはないと覚えておきましょう。
場面別家族葬の服装
葬儀以外の場面でも、それぞれにあった服装で参列するのがマナーです。納棺時、弔問時、49日の服装について解説します。
納棺時の服装は?
通夜の前に行われる納棺の服装は、地域ごとにしきたりが異なります。私服で良い場合も、喪服で行った方が良い場合もあるので、事前に服装について葬儀場や喪主に問い合わせておくのが賢明です。
弔問時の服装は?
弔問とは遺族宅を訪ねてお悔やみの言葉を述べることを言います。特にナイーブになっている遺族に対して失礼のないようにしなければなりません。
訃報後すぐに遺族宅へ伺う場合は、喪服を着ていくと逆に失礼です。故人の死を事前に予見して準備していたように思われるからです。
葬儀後の場合も同じで、平服で遺族宅へ伺います。カジュアルすぎるもの、派手なものは避けて、男性ならジャケット、女性なら丈が長めのワンピースなどが無難です。
49日の服装は?
49日の場合は、原則喪主とその妻を除いた一般の参列者は準礼装です。葬儀と同じで、喪主やその妻より格式が高い服装で行くのはマナー違反です。
家族葬の49日の場合には、私服で行われることもあるので、事前に服装を確認しておきましょう。
その他の注意事項
最後に細かな注意事項を紹介しておきます。
夏は半袖でも大丈夫?
男性のYシャツや女性のワンピースは、夏であれば半袖でも問題はありません。男性の場合は上着の持参は必須なので、黒かグレーのジャケットを準備しましょう。
女性のワンピースは、五分袖または七分袖の場合はジャケットを持参しなくても大丈夫です。ノースリーブの場合は、男性と同じく黒かグレーのジャケットを持参しましょう。
まとめ
家族葬であっても礼儀は必要です。喪主、喪主の家族、参列者それぞれに適した礼装があるので、見合った服装をしましょう。
男性も女性も参列者であれば準礼装をすれば特に問題はありません。喪主やその妻よりも格式が高い服装をしてはいけないので、正式礼装はやめましょう。
納棺時、弔問時、49日の場合は私服で行われる場合もあるので、事前に確認しておきましょう。