葬儀での数珠の色に決まりはある?数珠の選び方について詳しく解説

葬儀の際に使われる『数珠』には実にさまざまな種類のものがあります。玉の色や房の形など宗派によっても違いがあるため、適切な数珠を選ぶのにも一苦労です。そこで今回は葬儀用の数珠にフォーカスを当て、その選び方のポイントを詳しく紹介します。

葬儀用の数珠、色や素材にルールはあるか

葬儀に参列するにあたり1つは持っておきたい『数珠』ですが、選び方にはポイントがあります。ここでは葬儀用の数珠にフォーカスを当て、形や色、素材についてのルールを徹底解説していきます。数珠選びに迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

本式数珠と略式数珠

数珠には大きく『本式数珠』と『略式数珠』の2種類があります。

まず本式数珠とは、それぞれの宗派ごとに正式に決められた数珠のことです。基本的に二重の数珠となっており、玉の数には煩悩の数とされる『108』が採用されています。

一方の略式数珠とは、宗派関係なく使える一重の数珠です。玉の数に決まりはなく、22個、20個、18個あたりが主流となっています。

宗派の決まっている葬儀では本式数珠が望ましいですが、絶対というわけではありません。一般的な葬儀では略式数珠で十分に対応することができます。

数珠選びのポイントは性別と宗派

数珠選びで重要なのは性別と宗派です。

数珠には基本的に男女兼用のものがありません。主に玉の大きさが異なり、男性用は玉の直径が10ミリ以上、女性用は8ミリ以下で作られています。葬儀の際には男性は男性用を、女性は女性用をそれぞれ購入するようにしましょう。

また、本式数珠の場合は、仏教の宗派に合わせたものを選ぶ必要があります。真言宗、浄土真宗、天台宗、日蓮宗とそれぞれ特徴が異なりますので、ご自身の所属する宗派に合わせて選びましょう。

葬儀はピンク色の数珠でも可

一般的に数珠には葬儀用、法事用といった区別はありません。意外かもしれませんが色や素材にもこれといった決まりはないので、珊瑚や瑪瑙(めのう)といったピンクや赤の数珠も葬儀に使うことができます。

逆に「葬儀の場に派手な色の数珠はふさわしくない」という考えは俗習とみなされるほどです。

ただし地方によっては赤がタブーだったり、葬儀用や法事用など区別したりすることもあるため、地域の慣習については事前に確認しておくようにしましょう。

数珠は素材も様々

『数珠は持つ人の分身』と言われるだけあって、玉に使われる素材もさまざまです。定番は天然石と天然木ですが、そのほか水晶や珊瑚、瑪瑙(めのう)、木の実、香木、さらにはガーネットといった宝石にまで種類が及びます。

数珠は房にも種類がある

玉の数や大きさなどに注目しがちですが、実は数珠についている『房の形』にも様々な種類があります。

代表的な房の形は下記の4種類です。

  • 頭付房(かしらつきふさ)
  • 梵天房(ぼんてんふさ)
  • 紐房(ひもふさ)
  • 切り房

特に略式数珠には房の制限もないため、自分好みのデザインや使い勝手の良いものを選べます。他にも『かがり房』といった編み込みが美しいもの、上品な印象の『松風房』などの房も人気です。

葬儀用の数珠の房に適した色とは

葬儀用に使用する数珠に関しては、房の色も比較的自由です。ただこれは男性の場合だけで、女性の場合は純粋無垢をイメージさせる『絹の白房』が好まれています。

そのためお通夜や葬儀には白色の房の数珠、忌明け法要後には好みの色房の数珠といった具合に、2種類の数珠を用意する女性も増えてきました。

房の数や形状による意味の違い

略式数珠の場合、房の数や形状による意味の違いはありません。頭付房・切房・菊房・梵天房・紐房などから、好みの形のものが選べます。

一方で『宗派によっては房の数や形、結び方が異なる』のが本式数珠です。例えば煩悩のまま救われるという意味の『蓮如(れんにょ)結び』が房に使われる浄土真宗、20の平玉と10の丸玉を房につける天台宗の数珠がそうです。

ただ、本式数珠に関しては宗派によってしっかり形が決められているので、購入時に房の種類をチェックする必要はないと言えます。

地域によっては数珠の色を使い分ける

一般的には、葬儀や法事によって数珠の色を区別する必要はありません。ただ東海や北陸など地方によっては区別する慣習もあるので、購入前にその土地のことを調べておくといいでしょう。

また、『寿珠』とも呼ばれる数珠は、葬儀だけでなく仏前で結婚式を挙げる時や嫁入り道具としても用いられています。女性の方は嫁ぎ先のご先祖様に手を合わせる機会もありますので、ぜひ事前に数珠の色についての慣習をチェックしてみてください。

東海地方や北陸地方の場合

東海地方や北陸地方の一部では、葬儀や法事、お墓参りなど、シーンに合わせて数珠を使い分ける風習があります。

ある地域では『葬儀には本式数珠、法事には略式数珠』、またある地域では『葬儀には色なしの玉に白い房の数珠、法事・お墓参り・お寺参りには色のついた玉に色付きの房の数珠』といった具合にです。

現在、東海や北陸の一部地域を除き、シーンに合わせて数珠を使い分ける風習は残っていません。名古屋や金沢での葬儀や結婚の予定がある方は、地域ごとの風習に気を付けて数珠をお買い求めください。

京都では赤を使う地域も

葬儀の際に赤い数珠をタブーとする地域がある一方で、京都には『慶事はもちろん葬儀の際にも赤い数珠を使う』という地域もあります。京都で葬儀や結婚の予定がある方は、ぜひその地域の方や住職に確認してみてください。

まとめ

持つ人の分身とも言われるお数珠は、葬儀などに使うだけでなく、その身を守るものでもあります。せっかく数珠を買うのなら、一生寄り添うものとして捉え、自分好みの色や素材のものを選んでみると良いでしょう。

もちろん地域や宗派によっては数珠についての決まりごともありますので、1つは自分好みの略式数珠、もう1つはフォーマルな本式数珠にするなど、複数の数珠を所有するのもオススメです。