退職金専用の定期預金のメリット・デメリット。優遇金利はどれくらい?

退職金を受け取ったけど、どのように預けたらいいかわからないという方は多いのではないでしょうか。銀行に預けていても今は超低金利なので儲けは期待できません。しかし、金融機関によっては退職金専用の定期預金が用意されているところもあります。この記事では退職金定期預金、その優遇金利の相場、メリット・デメリットなどについて紹介していきます。

定期預金のメリット

比較的高い金利

退職金を定期預金するメリットとして、高金利が挙げられます。銀行によっては、退職金定期預金というものが用意されていることもあります。これは退職金を対象にした金融商品の1つですが、退職金をもらってそのお金を1年以内に定期預金すると、通常の定期預金よりも高い金利が設定されるという特徴を持っています。

今ではなかなかお目にかかれない数%の金利が付くことも少なくありません。一般的な退職金定期預金は1ヶ月から3ヶ月程度の短期のプランのものがもっとも金利が高いです。この期間を過ぎると、基本的には自動継続という形になって一般の定期預金と同じ金利になりますが、解約することも可能です。

定期預金の変更も

期間が満了したら、そのお金を引き出して別の金融機関で定期預金するといいでしょう。退職金定期預金が使えるのは1年以内というところが多いため、3ヶ月ごとに切り替えると3回から4回程度高金利の定期預金を利用できるということになります。

ただし、退職金定期預金を利用するときには通常とは異なり、退職金が振り込まれた口座の通帳や源泉徴収などの確認書類を提出する必要がある点に注意が必要です。

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優遇金利の相場

一般的な預金金利としては0.01%など超低金利状態が続いているため、定期預金にするメリットは多くありませんが、退職金定期預金だけは例外です。それというのも、この預金には優遇金利が設定されているからです。一部のメガバンク、地方銀行、信用金庫などが商品展開していますが、その優遇金利は年利が1%から2%というのが相場になっています。

一般的には1000万円を1年間預けたとしても1000円くらいしか得られませんが、退職金定期預金の優遇金利であれば数万円も得られます。例えば、3ヶ月もので年利2%なら税金を引いた後でも50,000円近くになります。いかに退職金定期預金の金利が高いかがわかるでしょう。

しかしながら運用することが難しく、退職金定期預金を扱う金融機関は減少傾向にあります。退職金で得をしたい人はその中で扱い続けている銀行を探しましょう。ちなみに、西京銀行は3ヶ月もので年利3%であり、トップクラスの優遇金利を誇ります。滋賀銀行も1ヶ月ものではありますが、年利2.5%を維持しています。

定期預金のデメリット・注意点

退職金を定期預金することにはメリットだけでなく、デメリット・注意点もあります。

注意点

1つは銀行が破綻したときのリスクが挙げられます。金融機関はペイオフ制度のもと運用していますので、一般的な定期預金と同じように、1000万円とその利息までしか保護されていません。

しっかりとした購入条件の下調べを

もう1つは投資信託や外貨預金を同時に購入することが条件になっていることが多い点です。なぜ退職金の定期預金だけ優遇金利があるのかというと、それは金融機関にとってもメリットがあるからです。例えば、投資信託であれば3%から4%程度の販売手数料が設定されていますが、退職金定期預金で優遇金利を設定したとしても、金融機関としては販売手数料を受け取ることができて損失にはならないのです。これは外貨預金も同様で高い手数料を取られます。

そのため、退職金定期預金を利用するときには、あらかじめしっかりと購入条件について調べましょう。年率換算の比較的高めに見える利率でも、数か月しか適用されない場合が多いため、プラスの利益だと思っていたものが実はトータルではマイナスの利益になっていたという話はよくあります。

みずほ銀行の定期預金

各メガバンクが退職金定期預金を扱っていますが、みずほ銀行も例外ではありません。みずほ銀行の大口定期預金やスーパー定期300と比べても非常に高い金利が設定されています。ただし、優遇金利が適用されるのは初回だけという点とその満期以降は通常の定期預金の金利に戻る点には留意する必要があります。

金利と条件

具体的には、1ヶ月ものならば年利3%、3ヶ月ものならば年利1%です。これが終われば、スーパー定期300なら0.15%に戻るということになります。適用条件としては、退職金を受け取ってから半年以内です。

みずほマネープランセット

ちなみに、みずほ銀行のみずほマネープランセットは3ヶ月もので年利7%から8.2%になっていますが、これは運用プランものです。定期預金と投資信託を組み合わせた金融商品になっていますので見かけは高金利に見えますが、投資信託の手数料などを計算すると、実際には高金利分は消えてなくなります。みずほ銀行は大手銀行ですから、購入するに際してはスタッフからきちんと説明を受けられるのは安心です。詳細を確認した上で選ぶようにしましょう。

まとめ

退職金の定期預金は金利が高いというメリットがある反面、1000万円までしか保証されなかったり、投資信託などを同時購入することが条件になっているものもあります。自身の将来を考える上でどのように運用していくかはとても大切なことですので、各金融機関がどのような優遇金利を設定しているか、その条件は何かを慎重に調べてから利用しましょう。