家族葬は、従来の葬儀を簡潔にし、親族だけで慎ましやかに行われる葬儀です。今回は、家族葬を行う時に近所の方にはどのような対応したらいいのか、近所で家族葬がある場合は香典をどうすればいいのかなど、タイミングや方法をお伝えします。
目次
近所の方へのお知らせはいつすべきか
家族葬が知られるようになってから15年ほどしか経っておらず、まだまだ新しい形の葬儀と言えます。経験した方も少なく、葬儀の形式を知らないという方もいるでしょう。そのため、葬儀が行われる前に訃報を知ると、近所でも参列したいと思う方がいらっしゃるかもしれません。
このような、想定していなかった人が参列するという無用なトラブルを避けるためにも、家族葬の場合は、事後報告を取るケースが珍しくありません。事後報告のタイミングに決まりはありません。葬儀が済み、弔問客を迎えられる準備ができてから連絡をするのがよいでしょう。
弔問をしてほしい場合は葬儀後すぐに報告をし、弔問をなるべく避けたい場合は49日の後、納骨を終えた後に報告をするといい、くらいに考えておくといいでしょう。
近所の方へ事前に知らせる場合は、自治会や町内会を通して行います。早い段階で自治会長さんに報告し、家族葬であることを伝えます。
同時に親しくしている近所の方へも早めに知らせます。生前に家族葬で行うことが決められているのであれば、先に伝えておくのもよいでしょう。挨拶に出向き、故人の願いで家族葬で行うこと、香典や弔電を辞退願うことをしっかり伝えます。
近所の方へのお知らせ
葬儀前にお知らせすする場合
まず、近所の方へ事前に知らせる場合は、自治会や町内会を通して行います。早めに自治会長さんに電話で報告し、家族葬であることを伝えます。
葬儀への弔問、参列をお断りすること、通夜を行うか行わないかも明記して回覧板で通知してもらいます。親しい付き合いがあった近所の方には直接訪問して知らせます。直接挨拶しに行けば、印象がよくご近所トラブルも避けられます。
はがきで済む場合は通知を作成して届けます。故人の遺志により家族葬で執り行うことにした旨、香典などの気遣いの辞退をしっかり明記して通知を出します。
葬儀後にお知らせする場合
事後報告の場合も事前に知らせる時とほぼ同じです。
自治会や町内会を通して伝えてもらいます。事後報告では「参列したかった」「なぜ教えてくれなかったのか」などあまり良い気持ちを持たれない方もいます。故人のためにも、礼儀をもって訃報を知らせる通知を出さないといけません。故人の遺志によって近親者のみで葬儀を行ったこと、香典の辞退や連絡の遅れを詫びた言葉を書き、近所の方へ送付して知らせます。葬儀の詳細は避け、事後報告で受ける相手の気持ちに沿った内容にします。
家族葬なら参列すべきでない?
回覧板や挨拶で葬儀が行われることを知っていても、参列を辞退されている場合は、参列や弔問をすべきではありません。家族葬でのお通夜や葬儀は、基本的に参列や弔問を辞退するのがマナーです。
家族葬は故人や身内の意志で行われます。身内だけで行いたいという意思表示なのです。料理やお礼など用意している数も限られ、参列すればかえって気を使わせてしまいます。
ただ、弔問をできなくともお悔やみの気持ちを伝えたいという方はいらっしゃるでしょう。
そのようなときは、遺族に会った時にはお悔やみの言葉を述べ、葬儀が終わってひと段落ついたら、近所の人とも相談してお線香をたてにいってもよいかもしれません。親しい人であったのならば、仏壇にお参りするのが一般的です。
葬儀が行われたのを知らずに葬儀後に知る事もあります。その際は、家族葬である事を理解し、遺族の気持ちを汲み取った対応をします。決して、「なぜ先に知らせてくれなかった」などといった苦情を言うのは避けましょう。家族葬は故人の意思で行われることが多く、たとえ親しい付き合いのある近所の人であっても辞退する事が一般的なのです。
近所の方が家族葬をするとき、香典はどうする?
家族葬では近所のかたの参列や弔問、香典の辞退をお願しているケースが多いです。その際は、意図を尊重して辞退しましょう。香典を渡そうとすれば、気を使わせて迷惑になることがほとんどです。
そのために、後日お悔やみの言葉を伝えるだけで十分なのです。しかし、辞退の連絡が無い家族葬の場合は、故人と親しい関係であればあるほど悩むところです。基本的に家族葬は、香典を遠慮するのが一般的です。
後日弔問する場合
しかし、後日お参りする場合には、手ぶらで行くわけにもいかないという方もいるでしょう。香典を持参する際は、他の近所の方に相談するのをおすすめします。他の方が持っていくかどうかわからない場合は、香典を準備して持参し、遠慮されたら持って帰るというスタンスでもいいでしょう。
香典の金額は一般的には3,000円とされ、5,000円以上は香典返しなどで気を使わせるので避けた方が無難です。遺族の方に外で会う機会があれば、弔問してよいか聞きます。亡くなってから45日以上たっている場合は、表書きをご仏前とした方がよいでしょう。仏壇にお線香をあげながら、生前の故人の話で盛り上がり、故人を偲ぶのも良いかもしれません。
まとめ
近所との関係もそんなに密ではなくなった今、家族葬は増加傾向にあります。そうとは言っても近所づきあいもあり、近所には親しい関係の方もいるでしょう。親しい関係をよい物で終わらせるために、家族葬では従来の葬儀よりも気をつけた方がいい点があります。
家族葬が持つ家族だけの時間を作って、最後に家族で送り出すという意味を理解し、お互いに気を使わせないようにするのが大切です。