知らなきゃ恥ずかしい家族葬の香典返しのマナー。挨拶状についても解説

家族葬は遺族だけでしめやかに営む葬儀ですが、香典を辞退する意思を明確に伝えなければ、香典をいただくことになります。会社や親戚から香典をいただいたら香典返しを行います。今回は香典返しの時のマナーについて紹介します。

挨拶状の書き方は?

香典返しには忌明けの挨拶状を添えます。挨拶状には次のような項目が盛り込まれます。

  • 会葬やお供えへの感謝の気持ち
  • 故人の四十九日法要が無事に終わったことの報告
  • 香典返しの返礼品をお送りしたこと
  • 直接挨拶に伺わず、書面による略儀で済ませることへのお詫び

また、香典返しの挨拶状を書く際には、以下のような注意点があります。

  • 句読点は打たない
  • 「つねづね」「たびたび」といった、繰り返しの言葉は使わない
  • 季節の挨拶は入れない

このような点に注意を払いながら挨拶状を作成しましょう。
以下は挨拶状の文例になります。

謹啓
時下ますますご清栄のことと存じます
先般亡父例文太郎の葬儀に際しましては
ご多用の中にもかかわらずご会葬を賜り
かつご丁重なるご厚志を賜り誠に有難く厚く御礼申し上げます

おかげをもちまして○月○日に
四十九日の法要を滞り無く相営みました

ささやかではございますが感謝の気持ちを
こめて心ばかりの品をお届けさせて
いただきました何卒お納めください
本来であれば拝眉の上御礼申し上げるべきとは存じますが
失礼ながら書中を持ってご挨拶申し上げます
敬具

平成〇〇年○月○日
喪主例文小太郎

会社への香典返し

会社や部署の同僚から香典をいただいた場合は、香典にある名義によって香典返しの方法が異なります。ここでは、それぞれのケースに沿った香典返しのマナーについてご紹介します。

会社の慶弔規定で香典をもらった場合

香典の名義が会社名、もしくは会社名+代表取締役〇〇となっているときは、社内規則にある慶弔規定により、総務部から形式的に送られたという場合が多いです。慶弔規定から出される香典は、福利厚生の一種で、会社の経費から賄われるものです。ですので、この場合は香典返しは必要ありません。

しかし、会社に慶弔規定がない場合に、会社名+代表取締役〇〇という名義の香典をいただいた場合は、社長個人が出したものです。香典返しをしましょう。

慶弔規定は大企業では設けられています。勤め先に慶弔規定があるかわからない場合は、総務部に確認してみましょう。

上司や同僚から香典をもらった場合

会社の上司や同僚から個人名義で香典をいただいた場合は、通常の香典返しと同じように香典の3分の1から半分の額の品物をお返しをしましょう。香典返しのタイミングは、忌引き後に出社した日か、四十九日法要後に挨拶文を添えて郵送する2通りがあります。

忌引き後の出社日に手渡す場合は、役職の高い方からお返しを渡していきます。香典のお礼の言葉と共に、休みをいただいたことのお礼の言葉も一緒に述べて、感謝の念を伝えましょう。

親戚への香典返し

親戚から香典をいただいた場合も、お礼の挨拶と共に香典返しを贈る必要があります。
香典返しの相場は、いただいた香典の3分の1から半分の値段の品物と言われています。いただいた香典が3万円なら香典返しも1万円から1万5千円ということになります。

しかしながら、親戚は故人との縁が深いこともあり、香典の額が高額になります。たとえば、10万円の香典をいただいた場合も、半分の5万円の品物をお返ししたほうがいいのでしょうか。

高額な香典には必ず相場の品を返す必要はない

いえ、3分の1から半分の値段の品物を必ずお返しする必要はありません。香典を多く包んでくださった親族の方で、香典返しを期待していらっしゃる方は少ないのではないでしょうか。どちらかといえば、葬儀などで急な出費があるから、今後の生活のために役立ててほしいと気遣いの心で多く包んでくださったものでしょう。

ですから、いただいた香典が高額であっても可能な金額の品でお返しして、時折お会いするときのあいさつで、感謝の念を示していくことが大切でしょう。

香典返しが不要な場合

ここまで香典返しを贈る側のマナーについて述べてきました。しかし、香典返しをいただく方で、諸所の事情から「香典返しは不要です」という方もいらっしゃるかもしれません。香典返しを辞退する理由には、ご遺族に気を遣わせたくなかったり、公的組織に所属していることで香典返しの受け取りを禁止されている場合などがあります。このとき、香典返しを辞退の際には、遺族の方に失礼があってはなりません。

ここでは、香典返しを辞退するときの方法についてご紹介していきます。

不祝儀袋の裏に、香典返しを辞退したい旨を記しておく

香典返しを辞退する場合は、その意思を遺族に伝える必要があります。一般的なのは、香典をいれた不祝儀袋の裏面に住所氏名欄の横に、一筆辞退の旨を書いておくという方法です。書き方に特に決まりはありません。遺族に意思が伝わる内容にしましょう。

文章の例としては、「勝手ではございますが、お返しなどのご配慮は遠慮させていただくよう、お願い申し上げます」や「誠に勝手ながら香典返しは辞退させていただきたく、お願い申し上げます」といったものがあります。

まとめ

香典返しは、香典をいただいた方へお礼の品物を送るものですが、おかげさまで無事に忌明けすることができたという感謝の意味も込められています。そのため、香典返しは相手に非礼のないように、心のこもった贈り物をしたいところです。

ですが、あまりに形式ばかり立派なものでは、無感情な行為に見えるかもしれません。香典返しで本当に大切なのは、「感謝の気持ちを」伝えることなのです。それを忘れず香典返しをしましょう。”