家族葬での香典や弔電の辞退の仕方。正しく伝えて負担を少なく。

家族や親族の葬儀に参加または喪主となった場合、会社にもその旨を連絡しておく必要があります。特に家族葬の場合は、香典・供花などの辞退をすることが一般的なので、通常の葬儀とはまた異なる連絡をしなければいけません。今回はそんな家族葬を執り行う場合の会社への連絡や、香典・供花などの辞退の方法について解説していきます。

会社への連絡・辞退の仕方

一般的に家族葬のように参列者を限定して執り行われる葬儀であれば、弔問などを遠慮してもらうために葬儀が終わってから事後報告をするというのが一般的です。

ただ会社の場合は葬儀の旨を連絡しておかないと無断欠席の扱いになってしまうほか、事後報告だと慶弔休暇・忌引休暇などの特別休暇が適応できない可能性もあります。このため会社に対しては葬儀の前にメールまたは電話で連絡をする必要があり、その際には家族葬である旨を伝えて弔問などを辞退しておくことが大切です。

連絡する範囲としては、自身の直属の上司のほかに忌引き休暇を届ける総務課などが挙げられています。ほかにも連絡しなければいけない部署や相手がいるかどうかは、上司に連絡をした際に確認しておくという方法もあります。

メールや電話で伝える文面としては、会社でフォーマットがあればそちらを利用します。フォーマットがなければ件名に死亡届とし、送信する相手の部署名や担当者名を本文に添えて「(亡くなった故人との関係)が亡くなったため、連絡いたします。故人の遺志により、会葬は行わず家族葬にさせていただきます」という内容で問題ありません。

注意点として、連絡を入れた際に弔問や弔電などについて辞退する旨を伝えておかないと会社側も対応がわからないため再度連絡を入れてくる場合があります。場合によっては弔電や香典が送られてくる場合があるので、諸々の辞退をする場合はメールまたは電話で葬儀の連絡をした時に一緒に伝えておきます。

会社からの香典辞退の方法

通常の葬儀であれば会社側は香典を用意してくれるのですが、家族葬の場合は会社側の方の香典なども辞退する必要があります。

辞退する方法としては、葬儀の連絡を入れた時に「家族葬にいたしますので、お香典等は辞退いたします」または「親族のみの密葬で執り行いますので、お香典はご遠慮いたします」など一言添えておくだけでいいと言われています。

この時一緒に弔問や弔電なども辞退することができるので、必ず連絡した際に辞退の旨を伝えておくことがポイントです。場合によっては後から連絡することもできますが、すでに香典を用意している場合もあるので早めに辞退の連絡はしておきます。

ただ葬儀の準備などで慌ただしく動いている中で連絡をした場合、家族葬であることや香典辞退の旨を伝え忘れてしまうという場合があります。また会社の規則で家族葬でも香典を用意しているところもあるので、もしも受け取った場合は会社名義であれば、香典返しの必要はないのでそのまま受け取っておく方がいいです。

会社名義ではない場合は香典返しが必要になる可能性もあるため、お礼を述べてから丁寧に断るか、それでも渡してくる場合には受け取るという方法もあります。

会社への香典返し

基本的に、会社名義の香典の場合は香典返しは不要だとされています。ただ会社名義ではなく所属している部署や上司など会社関係者からの香典であった場合には、今後の業務や職場環境にも影響が出てくるため丁寧に対応することが望ましいと言われています。

そのため家族葬で香典辞退をしていたにもかかわらず香典をもらったのであれば、会社に確認した上で香典返しを用意しておくことがおすすめです。

会社関係者への香典返しの相場としては、香典額の2分の1から3分の1程度となっています。また香典返しの品としてよくあるのは、健康を守る意味を持つお茶や不幸を洗い流すという意味で石鹸や洗剤類が用いられているようです。ただ会社への香典返しとなると部署単位で返さなければいけない場合もあるので、香典返し用のカタログを送るという方法もあります。

そして香典返しをする際にはお礼状を添え、「葬儀に際しましてご鄭重なるご厚志を賜り有難く厚く御礼申し上げますつきましては供養のしるしに心ばかりの品をお送りいたします何卒ご受納賜りたくお願い申し上げます」という文面が利用されることが多いです。

注意しておかなければいけないのは、句読点や季節の挨拶などは使わずに頭語と結語を使う点だと言われています。

会社からの弔電の扱い方

家族葬では弔問や香典だけではなく弔電も辞退するケースが多いため、家族葬を執り行う連絡をした時に弔問や香典と一緒に辞退する旨を連絡します。このため辞退する方法としては香典などと一緒に辞退することを伝えるだけでいいので、弔電だけを断るというわけではありません。

ただ会社や関係者によってはせめて弔電だけでも、と送り先などを確認してくる場合があります。弔電の場合は香典と違ってお返しをする必要はないと言われているので、何らかのお返しを考えることはありません。

ただ受け取ってそのままにするというわけではなく、葬儀が終わって落ち着いてからお礼状をしたためたり電話でお礼を伝えておくという対応が望ましいです。また出社してから改めてお礼の挨拶に伺うなどの丁寧な対応も好印象を与えるので、受け取った場合には丁寧に対応することを心がけます。

ちなみに受け取った弔電の取り扱いについては親族に一任していることが多いので、ほかに受け取った弔電と一緒に保管管理しておくか個人に供えておくという対応をしているケースがよくあるようです。

まとめ

家族葬を執り行う場合、身内だけで執り行うものではありますが会社側には忌引きなどの手続きをしなければいけないので葬儀前に連絡を入れておく必要があります。

その際には弔問や弔電、香典は事前に辞退しておくことが必要があるのですが、会社側が弔電や香典を用意していた場合には受け取った上で香典返しやお礼状などの丁寧な対応を心がけることが重要です。