失礼のない弔電の打ち方。心のこもったお悔やみを送るために

社会人になると、身内以外の冠婚葬祭に関わる場面も出てきます。日頃お世話になっている上司のご家族や、取引先からの訃報に接することもあるかもしれません。そこで、深い悲しみに暮れるご遺族への、失礼のない弔電の打ち方を紹介します。

弔電を打つ前に確認しておくこと

弔電を打つ前に、何点か確認すべきことがあります。これを怠ると、相手に失礼になったり、手間をかけさせてしまったり、そもそも送ることができない場合さえあります。以下の点をしっかり確認しておきましょう。

喪主の名前と故人との関係

弔電は、喪主か特定の関係者に宛てて送ります。喪主以外の方を受取人にする場合は、『(喪主の氏名)様方 (受取人の氏名)様』と書きます。

喪主の方と知り合いではない場合、名前を知らないことも多いと思いますので、喪主の名前を確認しておきましょう。どうしても名前が分からない場合は、『故人名+様 ご遺族様』と書いても問題ありません。

さらに、弔電の文面には受取人から見た故人の続柄の敬称を使用するので、受取人と故人の関係、例えば親子なのか、兄弟なのか、ご夫婦なのかといった基本的なことについても確認しておく必要があります。

会社からの弔電。差出人は会社名?個人名?

取引先から訃報を受けて、会社として弔電を打つときに、差出人の名義はどうすればよいでしょうか。

会社名で打つ場合もあれば、個人名の場合もあり得ます。社内規定を確認するか、規定がないなら、その都度迷わなくて済むようにルールを決めておきたいところです。

上司と相談の上、会社名にするときは会社の正式名称を使用し、代表者の個人名にするときは『会社名 役職名 氏名』を書きましょう。

弔電を送る時のマナー

ご遺族にとって、人生の中でとてもつらい時にかける言葉は、失礼にならないように、気持ちを傷つけることのないように、細心の注意を払いたいものです。弔電のマナーを覚えておきましょう。

故人の呼び方は敬称で

弔電の文面において、故人は敬称で呼びます。これは、弔電の受取人から見たときの続柄の敬称です。

例えば、受取人の実父が亡くなったのなら『ご尊父様』や『お父様』、実母であれば『ご母堂様』・『お母様』、配偶者なら『ご主人様』・『ご令室様』という敬称を使います。

忌み言葉を避ける

不吉とされる『忌み言葉』は、使うのを避けましょう。忌み言葉の種類のひとつとして、『重ね言葉』があります。不幸が重なることを連想させるので使用するべきではありません。

重ね言葉の例としては、『重ね重ね』・『たびたび』・『いよいよ』・『ますます』といったものがあります。

また、数字の『四』や『九』は、『死』や『苦』を連想させるので、忌み言葉となっています。

できるだけ早く弔電を送る

弔電は、通夜や葬儀の前までに届くように手配しましょう。ご遺族の側とすれば、葬儀で読み上げる弔電を確認する作業があるため、早めに届いたほうが負担をかけなくて済みます。もちろん弔電を送ったからといって、告別式に参列してはいけないわけではありません。

お悔やみ電報の打ち方

では実際に、弔電を打つ方法を見ていきましょう。『NTTに電話する』という方法を、真っ先に思い浮べる人が多いかもしれませんが、他にも弔電を打つ方法があります。

郵便局に申し込む

郵便局では『レタックス』というサービスを、弔電として利用できます。郵便局の窓口、ポストへの投函、FAX、電話、インターネットから申し込みができます。

支払い方法は、現金や郵便切手、クレジットカード、料金後納があります。ただし、申し込み方法などによって利用できるものと、できないものがあるので確認してください。

NTTに電話で申し込む

NTTを利用する場合、電報は電話またはインターネットで申し込みができます。ここでは電話で申し込む際の方法を紹介します。支払い方法によって電話番号が違うので、ご注意ください。

クレジットカード払いを希望する場合は、『0120-759-560』に、電話料金との合算払いの場合は固定電話やドコモの携帯電話から『115』にかけます。

オペレーターにつながるので、自分がかけている電話番号と名前、届け先、配達日、電報の種類、漢字を使用するか否か、文章、台紙の種類を伝え、オペレーターの読み返す文章を確認します。

受付時間は8時から19時で、年中無休です。

インターネットで申し込む

郵便局やNTTではインターネットからも申し込みできますが、他にもインターネットを使った電報のサービスを提供している会社があります。

KDDIグループでは、電話とインターネットで申し込みができる『でんぽっぽ』という電報サービスを展開しています。

サイトには台紙の写真や料金、送料や文字料金が込みかどうかが明記され、分かりやすい仕組みになっています。申し込む時は、台紙を選び、文章を決め、その他必要情報を入力して決済という流れになります。

支払いは、個人の場合、クレジットカードか携帯電話のキャリア決済が選べます。法人で申し込む場合は、それに加えて、請求書支払い、口座振替、KDDI電話料金合算という方法が利用できます。

また、佐川急便の子会社が運営する『VERY CARD』は、インターネット申し込みに特化した電報サービスです。独自の全国物流ネットワークを活用し、安価で高品質のサービスを提供しています。支払い方法はクレジットカードのみです

一部対象地域では、17時までの申し込みで当日3時間以内に届けてくれるオプションサービスもあります。

まとめ

弔電の打ち方について、イメージが湧いたでしょうか。訃報はできれば接したくないものですが、社会人として弔電の打ち方は知っておきたいところです。

もちろん、形式だけを知っていれば十分というわけではありません。故人を偲び、残されたご遺族の心に寄り添った弔電を送りましょう。