正しい弔辞の書き方をご紹介。しっかりと心を込めて弔辞を書こう

親交の深い方が亡くなると、遺族から弔辞を依頼されることがあります。めったにないことですから、どうしていいかわからないという方も多いことでしょう。ここでは心を込めて正しい弔辞を書くための準備から、立場別の書き方まで紹介します。

弔辞を書く前に用意するもの

弔辞は読み終えたあとに一旦祭壇に供え、最終的に遺族が保管します。そのため、使う用紙や筆記用具にも気をつけて書かないと失礼になってしまいます。

弔辞を依頼されたら、まずは必要なものを一式用意してから書きはじめましょう。

用紙は奉書紙、巻紙、便箋など

弔辞を書くときは、市販の奉書紙(ほうしょがみ)か巻紙を使用するのが正式なマナーです。社葬など、形式が重要視される葬儀の場合は、どちらかの用紙に書くようにしましょう。

形式がそれほど重視されない一般的な葬儀であれば、市販の弔辞用便箋や白い紙でも大丈夫です。

筆記具は薄墨の毛筆、ペン、パソコンなど

正式な弔辞は毛筆で薄墨を使って書きますが、用意するのが大変なら薄墨の筆ペンでも大丈夫です。また、弔辞用の便箋や紙に書く場合は万年筆やサインペン、ボールペンを使います。

パソコンで作成するなら毛筆フォントを使うと良いでしょう。白いコピー用紙に印刷してもかまいませんが、プリンターで書式設定して簡単に印刷できるようになっている弔辞用の便箋もあります。

弔辞を入れる白い封筒を用意

奉書紙や巻紙に書き上げた弔辞は、奉書紙に包んで持参します。弔辞を奉書紙の中央に置き、右、左、上、下の順で折りたたみます。折った面が裏になりますので、裏返して表面の中央に『弔辞』と書き、下に記名します。

弔辞を便箋等に書いた場合は、白い封筒に入れます。封筒は『不幸が重なる』ことを避けるため、二重ではなく一重のものを用意してください。奉書紙に包む場合と同様に、封筒表面の中央に『弔辞』、下に自分の名前を記しましょう。

弔辞を書く際の注意点

弔辞はあとで遺族が読み返すこともあるので、形式を守ってきれいに書きたいものです。レイアウトや内容、忌み言葉など注意しておきたいポイントを説明します。

弔辞は冒頭と末尾が大事

真っ白な紙に文章を書くのは、慣れていない方にとって簡単ではありません。しかし冒頭と末尾に余白を取るなど、形式を守って書くと、見た目もよく読みやすくなります。

冒頭は、奉書紙や巻紙の右端から10cmほど余白を空けてから書き始めます。巻紙に書くときは、折りたたんだとき文字が中央にくるように『弔辞』と記した後、さらに余白を取ってから書き始めます。

本文は行間にゆとりを持たせて書くと、読みやすくなり見た目もきれいです。末尾は本文より低い位置に日付を書き、改行して日付から少し下げた位置に署名をします。署名の後も8cmほど余白を持たせるようにしましょう。

弔辞の内容や構成

弔辞は3分から5分以内に読み終わるくらいの長さにまとめると、間延びせずちょうど良い分量となります。文字数でいうと800〜1,000文字程度が理想的です。

また、難しい言葉をたくさん使ったり堅苦しい文章にしたりする必要はありません。遺族や参列者にとって、わかりやすく聞きとりやすい文章になるように配慮しましょう。

まず故人を悼む言葉を述べたあと、故人の人柄や仕事ぶりなど生前の思い出についてエピソードを交えながら紹介していきます。最後は遺族へのお悔やみと、冥福を祈る言葉で締めくくります。

句読点を付けない等の注意すべきルール

弔辞には句読点を付けないというルールがあります。昔は書状に句読点を付けなかったからというのが有力な説です。

ほかにも式が滞りなく流れるようにという理由や、補助的役割の句読点をわざわざ付けるのは読み手に対して失礼になるという理由もあります。句読点を付けても間違いにはなりませんが、形式を重んじる葬儀の場合は付けないほうが無難です。

また、不幸が重なることを連想する重ね言葉や、死、別れ、事故といった直接的な言葉は『忌み言葉』と呼ばれ弔辞には使えません。死は『永眠』、事故は『不慮の出来事』などと書きかえましょう。

さらに宗教や宗派によっても注意が必要な言葉があります。仏式で『迷う』は禁句にあたるため使えませんし、神式・キリスト教式で『供養』や『冥福』などの仏教用語を使用するのもNGです。

立場別の弔辞の書き方

弔辞は故人と特別な関係にあった友人などが依頼されることが多いですが、最近では孫が読むことも増えています。それぞれの立場にふさわしい弔辞の書き方を見ていきましょう。

孫が祖母へ弔辞を書く場合

孫が祖父母に向けて弔辞を書く場合は、思い出や感謝の気持ちを素直に表現すると良いでしょう。一緒に旅行に行ったり、料理や裁縫を教えてもらったりといった楽しい思い出や、故人から言われた一番印象に残っている言葉などを書きます。

最後は「いままでありがとう。これからもずっと見守っていてください」のように別れの言葉で締めくくります。孫の年齢にもよりますが、文体はくだけ過ぎないよう、かつ堅苦しくなり過ぎないように調整しましょう。

友人へ弔辞を書く場合

親しい友人への弔辞は、生前の友人と話すときのように、多少くだけた調子で書いてもかまいません。ただしあくまでも葬儀の雰囲気を壊さない程度にします。

弔辞にはお悔やみの気持ちを表すだけではなく、参列者に故人の人柄や生前の活動を紹介し、讃えるという目的があります。友人ならではの共通の思い出やエピソードを交えつつ、大切な友人を失った悲しみを率直にまとめましょう。

最後には、遺族に向けた慰めや励ましの言葉も忘れないようにしてください。

まとめ

弔辞を書くとなると、どうしても身構えてしまって堅苦しい文章になりがちです。しかし、生前の故人を思いながら素直に気持ちを表現するほうが、自然と心のこもった内容になります。

筆記用具や忌み言葉などのマナーはしっかり守りつつ、故人への思いが伝わる弔辞を書きましょう。