かんぽ生命の満期金の受け取り。手続きや税金について解説します

万が一に備えて保険に入っている場合、保険の種類によっては満期金が支払われます。かんぽ生命にも同様に満期金が支払われる保険がありますが、支払いの手続きはどのようにすればよいのでしょうか。満期金の受け取り時にかかる税金についても紹介します。

かんぽ生命の満期の手続きについて

かんぽ生命の満期金の受け取りには、2つの方法があります。

満期金は指定口座に振り込みされる

かんぽ生命の満期金は、あらかじめ振込先の口座を指定しておけば、支払期日に指定の口座に振り込まれます。満期が来ても手続き不要のため請求し忘れがなく便利ですが、利用には条件があります。

  • 保険契約者と保険金受取人が同一人であること
  • 法人が保険契約者となる契約でないこと
  • 年金支払事由が発生した契約でないこと
  • 確定拠出年金保険契約、財形保険契約、職域保険契約でないこと

これらの条件を満たす保険であれば、振込先口座を指定しておくだけで手続きは必要ありません。

指定のない場合は窓口で手続き

振込先の口座をしていしないまま満期を迎えてしまった場合や、利用条件に当てはまらない場合には、窓口で支払い請求手続きをする必要があります。

請求の手続きは、保険金受取人本人が最寄りの郵便局で行うのが基本ですが、委任状などが用意されていれば別の方に請求の作業を委任することも可能です。

郵便局での請求手続きが完了したら、その後かんぽ生命で審査が行われ、保険金受け取りの流れになります。なお、郵送では行うことができないので、必ず窓口まで足を運ぶ必要があります。

必要書類などは?

郵便局の窓口で満期金の支払い請求を行うには、以下の書類が必要です。

  • 保険証券(保険証書)
  • 印章
  • 保険金受取人の身分証明書(顔写真がない場合、2種類の書類が必要)
  • 被保険者の身分証明書
  • 保険契約者と保険金受取人のマイナンバー
  • 続柄証明書(夫婦保険の場合のみ)
  • 振込先口座(保険受取人名義)の預貯金通帳またはキャッシュカード

もし保険金受取人が未成年の場合には、親権者の同意が必要です。また、その親権者と受取人である未成年者との続柄を確認できる書類も用意する必要があります。

満期金の受け取りに期限はある?

指定口座に振り込まれる手続きがしてあれば支払期日に自動的に振り込まれるので、期限を気にすることはありません。しかし自分で手続きをする場合には、期限を超えないよう確認しておく必要があります。

支払期限は満期から5年

かんぽ生命の保険金の受け取りは、満期から5年以内と定められています。5年を過ぎたら絶対に受け取れないというわけではありませんが、受け取り忘れを防ぐためにも、支払期日が来たらなるべく早く手続きをするのがおすすめです。

支払期日は、毎年送付される『ご契約内容のお知らせ』で確認できます。また、支払期日の3カ月前に請求手続きの案内が送付されるなど、請求漏れがなくなるよう対策がなされています。

終身保険には満期がない

保険にはいろいろな種類がありますが、その中でも『終身保険』には満期がありません。終身保険とは一生涯保障が続く保険のため、保険の終わりとされる満期が存在しないのです。

そのため、満期金というものもありませんが、解約による返戻金などはあります。しかし、解約してしまうと保障がなくなりますし、元本割れするリスクもあるので注意が必要です。

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学資保険など満期金に税金はかかる?

満期金などの受け取りができる保険には、養老保険や学資保険などの種類があります。満期金を受け取った場合には、税金がかかるのでしょうか。

契約者と受取人によって税金がかわる

満期金の受け取りをした場合、それによって得た利益に応じて税金がかかります。しかし、かかる税金の種類は、該当の保険の保険契約者と保険金受取人との関係性によってかわります。

保険契約者は保険料の負担者であることから、自分が保険金受取人になるか別の人が保険金受取人になるかによって所得税または贈与税のどちらかがかかります。

所得税になる場合とは

保険契約者と保険金受取人が同じ人の場合、満期金にかかるのは所得税です。満期金による利益は一時所得に当たるため、満期金から払込保険料をひいた金額から、特別控除額である50万円を差し引いた金額に税金がかかります。

つまり満期金と支払った保険料との差が50万円を超えていなければ税金はかからないため、確定申告も不要です。

贈与税になる場合とは

保険契約者と保険金受取人が別の人の場合、満期金にかかるのは贈与税です。贈与税は年間の控除額が110万円のため、満期金から110万円を引いた金額に贈与税がかかります。

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まとめ

かんぽ生命の満期金は支払い漏れがないように指定口座への自動振り込みなども実施されているので、対象外の保険でなければ登録しておくと安心です。

そうでない場合には、請求漏れがないように満期金の支払期日を確認して、準備をしておきましょう。

また、満期金には税金がかかりますが、税金の種類が異なると確定申告での手続きもかわります。