再雇用後に退職金を受け取る場合の手続きは?税金についても解説

近年は、定年退職後も企業に残り活躍する人が増えていますが、再雇用される前に調べておきたいのが『退職金の受け取り』についてです。必要な申告を忘れると、退職金から差し引かれる税金が大幅に変わってしまうこともあります。

退職金の受け取り方法は?

退職金とは、今まで働いていた会社から、『退職を理由』に退職者に支払われる手当のことです。定年を迎えて退職するのが一般的ですが、自主退職の場合もあります。

では、退職金はどのようにして受け取るのでしょうか?ここでは一般的な『定年を迎えたケース』で説明していきます。

定年を迎えた時点での支給が一般的

退職金は、『定年を迎えた時点』で支給されるのが一般的です。『定年は一律で60歳』と思っている方もいらっしゃいますが、定年退職の年齢は会社ごとに異なります。ですので、63歳で定年を迎える人もいれば、60歳の人もいるということになります。

一方で、『高年齢者雇用安定法』が改正される前の法律では、『定年は60歳』と定められていた為、会社側は『60歳退職』を基準に原資を用意しているケースが多いようです。

63歳、65歳…と勤続年数が増えれば、退職金の額も比例して増えていき、原資を圧迫しかねません。原資の不足を避ける為に、定年退職を60歳とし、退職金を支払った後に『嘱託社員』として再雇用する会社が多くみられます。

再雇用後に受け取る場合もある

退職金は定年時に精算するのが通常ですが、会社によっては、定年退職時に退職金を支払わず、再雇用後の最終退職時に支払うというケースもあります。もちろんこれは違法ではありません。

近年は、退職した後の再雇用をする会社が増えており、それに合わせて『退職金の支給日の規定』を変更する会社もあるようです。後でトラブルにならないように、企業の支給規定がどのように明記されているのかを確認しておく必要があります。

また会社側は、新たに雇用契約を結ぶ際、退職金や賞与の有無などをしっかりと定めておかなければいけません。

退職金に税金はかかる?

気になるのは退職金に税金はかかるのかということではないでしょうか。退職金は、税法上『退職所得』とよばれます。退職金と税金の仕組みについて詳しく見ていきましょう。

退職金も所得税が発生する

退職金は、『退職に伴う一時的な給与』であるため、所得税が発生します。もっと詳しくいえば、退職金には『所得税』と『住民税』がかかり、総額からこの2つを差し引いたものを受け取るということになります。

税金を多く取られるのではと不安に思う人もいるかもしれませんが、退職金には、長年の会社への貢献を労う意味と、老後の生活の為の一時金という意味があります。その為、給与所得とは違う『優遇された算出方法』が用いられています。

再雇用終了後の退職金にも所得税がかかる

たとえ再雇用で引き続き勤務している場合であっても、退職金が支払われた部分に関しては『退職所得』となり、課税の対象となります。

この際、退職所得の税金は、一般の給与とは別の計算方法を用いますので、会社側は退職金と給与を明確に分けておく必要があります。

所得税はどのように支払う?

国内において退職手当などの支払いを受ける人は、まず『退職所得の受給に関する申告書』を会社に提出するのが基本です。

この申請を提出すると、税金を計算し、退職金から所得税と住民税を源泉徴収された後の金額が支払われます。企業によっては源泉徴収票を出さない場合もあるので、自分自身で会社にお願いして発行してもらうようにして下さい。

退職金の確定申告は必要?

上で述べたように、所得税は、会社側が税金を計算して源泉徴収をするため、基本的には確定申告は必要ではありません。しかし、例外もあり、自分で申告をしなければならない場合もあります。事例を詳しく説明していきましょう。

所定の申告書を会社に出していればOK

『退職所得の受給に関する申告書』を出していれば、税金の計算は会社側がしてくれるので、自分で確定申告をする必要はありません。『退職所得の受給に関する申告書』は国税局のHPからダウンロードすることができます。

また、申告書の提出は義務ではない為、会社側から書類の提出を促されない可能性もあります。必ず自分で準備し、忘れずに提出するようにして下さい。

確定申告が必要になるケース

よくあるのが、『退職所得の受給に関する申告書』の存在を知らなかった、忘れてしまったというケースです。会社に提出していない場合は源泉徴収されませんので、自分で税務署に申告し、支払う必要があります。

注意しなければならないのが、自分で確定申告をした場合、本来よりも多く税が徴収されてしまうということです。

退職金は他の所得と分離して所得税が計算され、『優遇された税制』が適応されることは先述した通りですが、この『退職所得の受給に関する申告書』が提出されていることが前提となります。

まとめ

退職金は勤めていた会社で一生懸命頑張った証のひとつでもあります。大切なお金の事なので、しっかりと下調べを行い、手続きに誤りがないように気をつけましょう。特に、書類の提出などを忘れると、膨大な税金が差し引かれる可能性があるので注意して下さい。