老後にアルバイトする訳とは。働くメリットと老後の働き方

退職をしてもアルバイトなどで働く人が増えています。しかし、せっかく退職まで頑張って働いたのに、また再就職をして働く必要があるのか、疑問に思う方もいるでしょう。そこで、『なぜ退職後に働くのか』や『老後の働き方』についてご紹介します。

退職してからも働かなければいけない?

近年、60歳を過ぎても働き続ける人は増えています。実は、定年になっても老後の資金が十分蓄えられていないという人が多いのが理由のひとつです。

年金があるからと安心はできません。「定年退職後は家でのんびり過ごそう」と思っている方は、今のまま働いて、老後に必要な貯金額が蓄えられるかを確認しておきましょう。

老後に必要な貯蓄金額とは

老後は年金の支給がありますが、それだけでは生活が苦しいという方は多いです。老後に必要なお金は、『生活費』の他に、『介護費』や『葬式費』などもあります。

生命保険文化センターの『生命保険に関する全国実態調査』によると、介護費用の相場は毎月8万円程度となっています。また支払う期間は4~5年程度が多いようです。つまり、単純計算で『384万~480万円程度』が介護費として必要になります。

さらに、財団法人日本消費者協会第11回『葬儀についてのアンケート調査』によると、葬儀費用の相場は『195.7万円』です。生活費以外にも、思ったより老後のお金が必要だということがわかるでしょう。

夫婦世帯と独身の違い

2015年の厚生労働省の調査では、女性の平均寿命は『87.14歳』、男性は『80.98歳』となりました。つまり、定年退職を65歳とすると、いわゆる老後の生活は、女性は約22年間、男性は約16年間あると言えます。

夫婦世帯の生活費は、一般的な家庭で月25~30万円程度です。単純に『女性の平均寿命まで8,000万程度が必要』でしょう。

また独身の場合は、月15万円程度が生活費の相場です。平均寿命から考えると、『女性の場合は3,960万円程度』、『男性の場合は2,880万円程度』が老後の生活費として必要になります。

働きすぎると年金減額?

『在職老齢年金』というものがあります。これは『退職後も会社勤めなどをした場合、その期間の年金額が減らされる』というものです。年金の受給額が減らされる対象者は、『厚生年金に入っている人』になります。

ただし、厚生年金に入っていても、年金月額と給与月額の合計が『65歳未満の場合28万円、65歳以上なら46万円を下回っていれば減らされません』。

給与金額が大きい場合、年金の支給が全額停止になる場合もあります。退職後も働きたい場合は注意しましょう。

老後の働き方とは

老後に働きたいけれど、年齢的に雇ってもらえるか心配な方も多いでしょう。実際にシニア世代になると、若者よりも働き先は少なくなります。

しかし、高齢化社会に合わせて、『シニア募集』というシニア向け求人が多くなってきました。そこで老後の働き方についてご紹介します。

有利な資格を取って役立てる

老後に他の人よりも有利に就職をしたいなら、資格取得がおすすめです。

例えば、それなりに勉強が必要になりますが、『司法書士』・『宅地建物取引士』・『行政書士』・『税理士』などの国家資格はおすすめです。国家資格が使われる職場に再就職をする際は、資格を持っていると就職に有利になります。

また、民間資格としては、『ケアマネージャー(介護支援専門員)』・『語学資格』・『認定心理士または臨床心理士』などがあると良いでしょう。認定心理士などは自宅開業をする際に活躍します。

派遣や在宅で働く

派遣や在宅で働く道もあります。老後はフルタイムで働くよりも、自分のペースで働きたいという方におすすめです。また、派遣や在宅は、企業に勤めるよりも採用のハードルが低いこともメリットです。

現在ではクラウドソーシングサービスが活発化しており、誰でも気軽に在宅ワークが始められるようになりました。

在宅・派遣・就職など色々な働き方がありますので、どんな働き方をしたいか考えておきましょう。

シニア向けの求人サイトを見てみる

シニア向けの求人サイトもあります。飲食店や販売店などの接客業や製造業のほか、夜間のスタッフなど様々な求人が掲載されています。どれもシニア世代を募集しているので、年齢を気にする必要もありません。

働き口を探す際には、シニア向けの求人サイトを確認しておきましょう。

アルバイトの若者は今すぐ対策を

正社員とアルバイトでは稼げる金額が大きく変わります。そのため、老後の資金も厳しくなりがちです。アルバイトの若者は、今のうちから対策を始めましょう。

正社員とアルバイト、老後の差は?

正社員とアルバイトでは貯蓄できる金額に大きな差があります。アルバイトと正社員では給料の差以外にボーナスや保険費用の減額、退職金などの差があるため、仕方がないことかもしれません。

しかし、老後は誰にでも訪れるものです。老後は夫婦の場合、一般的に生活費で8,000万円、葬儀、介護費を合わせると、8,700万程度が必要になります。

収入が低いと、老後を生き抜くことも大変になります。アルバイトだからとあきらめず、若いうちから稼ぐことが大切です。

国民年金だけに頼れないワケ

正社員の場合、厚生年金に入ります。これは国民年金に入っていないのではなく、平たく言えば、国民年金プラス厚生年金に入っているという意味です。これは、将来の支給額にも現れます。

一方で、アルバイトの場合、基本的には正社員の2/3以上の勤務でないと、厚生年金には入れません。つまり国民年金だけに入っている場合、会社勤めをしている人よりも、年金が少なくなるのです。

国民年金にのみ加入している場合は、老後のための資金調達方法を考えておきましょう。

まとめ

老後の資金や老後の働き方について紹介しました。思った以上にお金が必要だと感じて、驚いた方もいるでしょう。

時間は待ってはくれません。元気に働ける年齢のうちに、しっかりと老後の資金をためておき、年を取った際に慌てることがないよう、しっかりと準備をしておくことをおすすめします。