偲ぶ会の式次第と開催準備について。準備方法と式次第の決め方

近年、一般の方でも『偲ぶ会』を開催する人が増えています。葬儀社や専門業者に相談するのが楽ですが、式次第や当日までの準備、司会をどうするか、などを自分達で決めておくことは必要です。実際の例を挙げ、偲ぶ会までの手順を解説していきます。

偲ぶ会の開催準備をする

偲ぶ会は、生前故人と縁深かった人々が集まり、思い出を語り合うことが目的です。

規模やタイプによって準備や費用が大きく異なるため、初めての人はどこから手を付けてよいか分からないこともあるでしょう。まずは開催の準備段階ですべきポイントを解説します。

まずは葬儀社に相談するのがおすすめ

偲ぶ会は、葬儀とは違った『お別れ会』のようなものです。開催する際、どこに相談したらよいのか迷うところですが、まずは『葬儀社』に相談してみましょう。

最近は、直葬や家族葬など、身内のみで行う小さな葬儀が増えつつあります。葬儀とは別の場を設けて『お食事会』や『お別れ会』を望む人がいるため、偲ぶ会の企画や運営を手掛ける葬儀社もどんどん増えています。

実績と豊富な知識を持つ葬儀社に問うことは、無料相談だけでも大きな収穫があります。まずは自分でおおよそのプランを作り、第三者にアドバイスをお願いするのがよいでしょう。

大規模な偲ぶ会は事前準備が重要

偲ぶ会は、葬儀のような決まった形式はなく、宗教も関係ありません。服装も喪服ではなく、平服で参加するのが一般的です。

親しい人同士で思い出の品を持ち寄り、自由に雑談するというお別れ会タイプから、ホテルを貸切って大規模に行うタイプまで、形式は様々です。

参加する人数、準備する食事のランク、どのような演出をするかにより、費用や準備期間が変わります。偲ぶ会の規模が大きくなればなるほど、案内状の作成、出欠確認を含めしっかりとした事前準備や打ち合わせが必要です。

また、偲ぶ会をいつ開催するかは主催者側の自由です。

遺族であれば、危篤状態から内密に段どりを決めておく人もいますし、四十九日を過ぎ、落ち着いてから行うケースもあります。大規模になる場合は、しっかりとした準備期間を設けるようにしましょう。

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近年は、葬儀を行わずに『偲ぶ会』を行う人が増えています。企画する側も参加する側も、1番気になるのは『費用』や『香典の相場』ではないでしょうか...

当日までに決めること

偲ぶ会の当日までに決めておきたい3つのポイントがあります。会を進めていく上での骨組みになるものなので、早めに決定しておくと、その後の細かな段取りがスムーズに進みます。

偲ぶ会のスタイルを決める

まずは『偲ぶ会のスタイル』を決めることです。人の数だけ様々なアイディアがありますが、大きく分けて3つの形式があります。

  • 献花のみを行うセレモニータイプ
  • 気軽な立食パーティタイプ
  • 演出や食事にこだわるおもてなしタイプ

食事の有無、参加費用、開催場所なども自ずと決まってくるので、葬儀社にも相談しやすくなるでしょう。宗教にこだわらない無宗教スタイルが主流となっています。

式次第を決める

偲ぶ会のスタイルが確定したら、次は式次第を決めましょう。式次第に決まった形はありませんが、入場、献花、懇談、解散という流れが基本です。希望に応じて、黙祷、思い出のスライド、お別れの言葉、献杯などを盛り込んでいきます。

線香や喪服着用を好ましく思わないホテルも多いため、読経や焼香を入れずに、献花スタイルにするのが一般的です。

司会の決め方

偲ぶ会では、流れにメリハリをつけるためにも、『司会進行』という役割が非常に重要です。必ずしも、遺族や主催者代表が司会をするという決まりはありません。偲ぶ会がスムーズに進むことを第一に考えて選びましょう。

前持って段取りを決めておけば、素人でも司会は可能ですが、プロの司会者にお願いするという方法もあります。特に大規模な会では、経験が豊富な方にお願いするのが理想です。

当日の流れの一例をご紹介

偲ぶ会の当日はどのような流れになるのか、2つの例を挙げて解説します。1つは『故人を語らう場を設けた場合』、もう1つは『項目を多く取り入れた場合』です。2つを比較しながら見てみましょう。

故人を語らう場を設けた式次第

故人を語らう場を設けた式次第は、代表者の挨拶や献花などの基本項目以外は、参加者の懇談や、会食、スライドの上映などに時間をかけています。フリースタイルで、そのまま解散という形も多く、形式よりも時間の過ごし方が重要になります。

少人数で行う場合や、親しい人のみで行う場合は、懇談の場を多く設けることで、思い出深い会にすることができます。

  1. 開場
  2. 献花
  3. 挨拶(主催者・遺族)
  4. 懇談
  5. 中締めの挨拶
  6. 解散

項目を多く取り入れた式次第

『懇談を重視した自由度の高いパーティ』に対し、項目を多く取り入れた式次第は、やや形式的な感じもありますが、会社や団体の関係者など、幅広い交友関係があった方に向いています。

  1. 開場
  2. 開式の辞
  3. 黙祷
  4. 経歴紹介
  5. お別れの詞
  6. 弔電
  7. 挨拶(主催者・遺族)
  8. 献花
  9. 懇談
  10. 閉式の辞

会場から閉式の辞までの順番は、主催者側の自由ですが、大体このような項目が盛り込まれます。スムーズにいくように、司会者を立てて進行するようにしましょう。

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まとめ

偲ぶ会は、規模にもよりますが、主催者側の企画力などが試される場でもあります。小さくても心のこもったものにするために、どのような会にしたいのかをよく話し合うようにしましょう。

また、葬儀社や専門会社、ホテルなど、経験豊富な第三者の力を借りることも必要です。