葬儀に参列する際に、服装やマナーがわからずに困ってしまうこともあるでしょう。また、葬儀へ参列できない時にどう弔意を伝えるべきか悩んでしまうことも多いものです。今回は、葬儀へ参列する前に押さえておきたいマナーについて解説します。
目次
参列者の基本的なマナー
葬儀に参列する時には、当然ながらマナーを守る必要があります。その基本マナーとして、以下の3点が挙げられます。
葬儀の服装マナー
本来、喪服は遺族が喪に服していることを表す服装とされていますが、現在は参列者も喪服を着用するのが一般的です。
一般会葬者としての参列時に着用するのはモーニングや和装などの正式礼装ではなく、ブラックフォーマルである準礼装または略礼装が好ましいでしょう。
具体的な男性の服装は、黒や濃紺、ダークグレーなどのダークスーツとなります。白地のワイシャツを着用の上、ネクタイは黒無地のものを結び下げにします。タイピンは付けずに、靴やベルトなどの小物も黒で統一します。
女性は肌が露出しない、黒のワンピースかスーツが基本です。バッグや靴は革製、または光沢がないものを選びます。ただし、爬虫類の革製品は避けましょう。
靴はヒールが高すぎると派手に見え、低すぎるとカジュアルすぎる印象になるので、3~5cm程度のヒールが適しています。
香典のマナー
故人に対する気持ちとして渡す香典は、故人の宗教に合わせた不祝儀袋に入れます。表書きには、仏式なら『御香典』や『御香料』と書きますが、宗教が不明の場合は『御霊前』を使います。
水引は、白・黒もしくは双銀で、結びきりにします。なお、蓮の花が印刷されている不祝儀袋は仏式用なので、他の宗教では用いることができません。
数珠のマナー
お通夜や葬儀、告別式に参列する時の持ち物として大事なものが、数珠です。数珠には持ち方があり、葬儀での場面によって持ち方も変わってきます。
数珠は、基本的に左手で持ちます。使わない時は左手親指と人差し指との間にかけて、房を下にして持ちましょう。
焼香をする時には、身体の前に数珠をかけた左手を差し出した状態で、右手で焼香をします。数珠を持って合掌をする際は、両手の親指と人差し指の間に数珠をかけるようにします。
参列者が気をつけたいマナー
葬儀に参列する時には、服装や数珠の使い方だけではなく、気をつけるべきマナーが他にもあります。
時間に遅れない
葬儀の時刻に遅れて到着をするのは、言うまでもなくマナー違反です。特に、読経中の入室は失礼に当たるので避けるべきでしょう。
もしやむを得ない理由で遅刻し、すでに読経が始まっていた場合は、入室を待ちましょう。焼香をするタイミングで入室をするのが好ましいとされています。
お悔やみの言葉は簡単に
葬儀は、参列をしたことそのものが弔意を表す意味を持ちます。そのため、遺族への挨拶は特に親しい間柄ではない限り、控えるべきです。
親しい方の葬儀であっても、長話をするのはマナーに欠けます。お悔やみを伝える時はできるだけ簡単な言葉で、手短に済ませましょう。
私語は控える
基本的に、葬儀の場での私語は厳禁です。葬儀の場では、知り合いに会うことが多いものです。だからといって、近況や世間話といった私語は控えるべきです。
葬儀に参列できないときのマナー
親しい方の葬儀であれば、できるだけ参列をしたいと思います。しかし、どうしても都合がつかず参列できないこともあるでしょう。そんな時にお悔やみの気持ちを伝えるために、以下のような方法があります。
弔電でお悔やみの言葉を伝える
葬儀への欠席を伝えると共に、お悔やみを伝えるための電報『弔電』を送る方法があります。
弔電を送る時は、できるだけ葬儀の前日に配達されるように手配をするのがベストです。
お悔やみ状を送る
お悔やみの気持ちを伝えるための『お悔やみ状』を送るのも、気持ちを伝える方法のひとつです。
葬儀へ参列できない時には、香典や供物などを送ることがあります。その時にお悔やみ状を一緒に送ることで、深い弔意を伝えることができます。
お悔やみ状では、一般的な手紙のような時候の挨拶などの前置きは必要ありません。すぐに弔意を伝え、遺族を気遣う言葉も書き添えるといいでしょう。
そして、お悔やみ状では『忌み言葉』を使うのはNGです。忌み言葉の例は下記の通りです。
- 死を連想させる言葉(数字の4や9、大変など)
- 重ね言葉(重ね重ね、ますますなど)
- 不幸が続くことを連想させる言葉(追って、再びなど)
遺族を不快にさせるような言葉は使わないように気を付け、別の表現を使いましょう。
まとめ
服装や持ち物、行動など、葬儀の場で守るべきマナーは多いですが、基本的なマナーを知っているだけで、失礼のない対応ができるはずです。
もしどうしても葬儀に参列できない場合でも、弔電やおくやみ状を送ることで、弔意を伝えることができます。基本的なマナーをしっかり守って葬儀に参列し、故人を見送りましょう。